十三 .

 その一言に、華木は惚れ込んだらしい。

 だけど、華木はその允桧の気持ちを理解した上で陥れた。


 なのかもしれないけど、


 その場にいなかった俺は止めることができなかった。

 允桧が色欲に溺れていく様を止めることはできなかった。


 でも允桧がこの詩で本当に伝えたかった意味は――幸福じゃなかった。


 本当の意味は、どちらも――。



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