第25話

「あなた、お帰りなさい。昨夜はどこに? 」


「ああ、会社の近くのホテルに。近くでコンサートがあったようでホテルがどこも空いてなくて酷いもんだった。カプセルホテルなんて何年ぶりだよ。今日は飯もいらない。すぐ横になる」


「そっかあ、パパも大変だね」


「……なんだ? 急にそんな口の聞き方をして。言いたいことがあるなら、はっきり言えよ」


「え? 何が? 何もないけど?」


「普段はそんな呼び方しないだろう。それなら、その変な口調はやめないか」


「えー? 変? あたし、いつもと違う? 別にそんなつもりないんだけど。………パパの方こそ変だよー? あ、何か隠してるとかー?」


「……もういい、風呂だ」


「そー? 出来てるから、どうぞごゆっくり〜」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る