【企画用詩集】なな月
相園 りゅー
一
――――風に
沼のおもてを白くした――――
みずからを嫌悪していくこと
なげ棄てること
あなたのつややかな
白い、葉肉
あなたは言葉にできないはず
だってあまりにめいはくだから
ノスタルジックが夏の日を前に
腐蝕を前に
蟹は落ち葉の下で熟れる
いいや、もう
あなたを見ることはないかもしれない
種子が、葉が、花弁のない花が
もしや
海へまで行くと して
「半夏生」
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