『3行』で読みたい日本文学①

常陸乃ひかる

前書

字を読むのが実は苦手

 突然ですが問題です。

 下記の文学作品の一文を読み、虫食いの〇〇部分に入る言葉を答えてください。


 問1

『親譲りの〇〇〇で小供の時から損ばかりしている』


 問2

『国境の長いトンネルを抜けると〇〇であった』


 問3

『えたいの知れない〇〇な〇が私の心を始終圧えつけていた』


 問4

『そして輝く ウルトラ〇〇〇!』

 Hi!!



 ――どうしました、なにか不具合でもありました?

 さて。現代人が求めているのは、常に『手軽さ』にほかならないでしょう。

 だからこそ、ワンクリックで商品を購入できるサイトを利用する。

 だからこそ、据え置きゲーム機が売れず、スマホゲームに課金する人が増える。

 だからこそ、純文学より頭をカラにして読めるライトノベルに人気が集中する。

 今や、改行・段落だらけの手軽な文章は、度外視できないコンテンツです。こういう風に大衆を煽動し、市場を築いた人はさすがとしか言いようがありませぬ。

 であれば、100年くらい前の、あるいはもっと前の小説も、切り抜き動画みたいにすれば良いのではないかと安易な考えから、このような愚策(愚作?)に行きついたわけで。


 ――ではでは。あまりダラダラ話していると、

『お前の文章こそ三行でまとめろよ! このタヌキが!』

『駄文ならブログにでも書いてろ! 田舎モンのくせに!』

 という罵倒と飛沫と、要らないウイルスまで向けられそうなので、本題へ参りましょう。断片的でも良いので――いえ、一瞬でも良いので読んでいただきたい。


 あと、Chromeあたりの読み上げアドオンを推奨しておきます。

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