第96話 最後

「それより大丈夫ですか?」


「何がっ!?」


白虎がもうだいぶ蛇腹剣に慣れ始めてきていて攻撃を捌くのがきつくなってきた。


「私の作戦が成功しますと間違いなく…殺すことになりますよ」


「大丈夫だ!」


それはもう覚悟ができている。白虎が意識が無くなった瞬間に何となくもう戻りはしないというのが直感的にわかった。ならもうぐだぐだやるんじゃなくて最後の願いを叶えたい。


「魔法と剣どちらをメインで殺したいですか?」


「もちろん剣で!!」


選択する余裕があるなら教えてもらった剣にしたい。


「なら難しい技術を要求します。大丈夫ですか?」


「頑張るとしか言えない!」


白虎の技術を見てしまうと自分の剣に自信なんてものは湧かなくなったがナービが俺なら出来ると思って提案しているのなら応えたい。


「チャンスは1度きりです。1度外すとあとは対策されると思います」


これは緊張するな…1度外すともう剣で倒すのは難しいとのことだ。


「まずは一瞬でいいので隙を作りましょう」


「了解!」


そうして俺は隙を作ろうとした。


「コキュートス!」

「転移!」

「粘着糸!」

「影縛り!」

「崩壊!」

「修復!」

「インフェルノ!」


「はぁ…はぁ……」


いろいろ試したが全部効果がなかった。動きは止められたものはあっても今度は衝撃波のようなものを放ってきてこちらに攻撃はさせなかった。


「マスター…やはり魔法に…」


「いや、大丈夫。方法を思いついた」


ナービですら他の方法にしろと言い出すレベルで隙を作るのが難しい。ナービにそんなことを言わせたくないので被せるように思いついてもないのに方法があると言ってしまった。


「あっ…」


最近全く使っていなく、なおかつ効果がありそうなものがあった。しかしミスるとやばいよな…


「よしっ!」


「マスター?」


「ナービ!先に言っておく!ごめん!!」


「謝るくらいならやらないでくださいよ…」


「止めないの?」


「どうせ止めても聞かないではありませんか…」


「あはは…」


やはりナービは俺以上に俺の事をよく知ってくれている。


「後でたっぷり説教しますからね」


「後でいっぱい叱られるよっ!」


そう言うと俺は白虎に突っ込んで言った。当たり前だが白虎は太刀で攻撃を仕掛けてきた。


「雷雪化!!アイスサンダー!」


「ガァッ!!」


「超いてぇ…けど!」


久しぶりに魔法化を使った。白虎は行動不能の魔法はことごとく避けられた。しかし捨て身で行けば恐らく行動不能になっても先に殺せば問題ないと判断して殺しにくるだろう。なので魔法化して物理攻撃を無効化した。しかし白虎は魔法も斬れるのでどうなるかと思ったが結果としては斬られてはいる。痛みはあるが外傷はない。恐らくHPもガクンっと減っただろうが問題ない。今、白虎は凍って痺れている。すぐに蛇腹剣を太刀に変えた。


「次元斬・改!」


これは前に使ったことのある次元斬を改良したものだ。あれは斬撃が遅すぎて最近の戦闘では全くの役立たずだったが、白虎に習った飛ぶ斬撃に次元斬を組み合わすことができて、一瞬の間があれば防御を無視した即死攻撃だ。


「ガァッ…」


「成功した…」


白虎の体は横に真っ二つとなった。


ガランッ!


白虎が持っていた太刀が地面に落ちて音が鳴った。


「え…?」


白虎の体はダンジョン特有の消え方ではなく、泥が崩れるかのようにぼろぼろと崩れていった。

最後の顔が微笑んでいるように見えたのは俺の気のせいかもしれないが微笑んでくれてたら嬉しいなっと思った。

そして泥が崩れ落ちて無くなるとその場に残されたのは白虎が持っていた太刀だけになった。太刀は白虎が消えた時に元の状態に戻った。少しキョロキョロすると意外と近くに鞘が落ちていたので取って鞘に入れた。


「ナービ、この太刀のステータスを見して」


「はい、マスター」


そう言うとナービはこの太刀のステータスを出してくれた。


【名前】白虎の愛刀

【レア度】SSS+

【切れ味】SSS+

【魔力伝導率】SSS+

【耐久】7850/7850

【スキル】・二刀対Lv.MAX

【特殊効果】【攻撃】+1000/【魔攻】+1000



「ははっ…まじかよ…」


ナービに二刀対の効果を見してもらうと二本揃った時に本領発揮する。となっていた。


「二刀流だったのかよ…」


最後は結構追いついたと思ったけどまだ本気の片鱗すら出してなかったのかな。


『カグロ…喰わない方がいいよね?』


「うん。これは取っておきたい。ごめんね」


使う予定もないし使わないと思うけどこれは取っておきたい。


「でも、もう一本どこにあるんだろ?」


白虎はそれらしきものを持っていなかったし、実際辺りを探してもそれらしきものはない。


「うおっ!?」


もう一本のことを考えていたらいきなり場所が変わった。床が石から普通の地面になった。


「ガァッ!!」

「グルルッ!!」


『本当の100層のボスみたいです』


そこには白虎の半分くらいのサイズの金ピカのたてがみをしたライオンと金ピカの模様の虎がいた。


「人がせっかく感傷に浸ってるっていうのに…」


今にもこちらに向かってきそうなボスたちに俺は苛立っていたので一瞬で終わらせることにした。


「龍式茜・改!」


一応勝手に決めたことではこれは全身を斬り刻むものだ。それを改にして遠距離でやることにした。


「ふぅ…」


「お疲れ様です」


時々次元斬・改も混ぜたのが良かったのか一撃で終わってしまった。


「気に入ったものがあるとそればっかり使い続けるのが悪い癖だな…」


俺は気に入った強い攻撃があるとそればかりに頼ってしまう。龍魔法がいい例だ。ナービの言う通りこれだと戦いパターンがワンパターンになってしまう。


「ごめん、寝る…」


さすがに疲れたためナービにそう言って眠ることにした。


「おやすみなさい。なら説教は起きてからにしましょう」


あ…お説教か…完全に忘れてた…





【名前】  斉藤 零

【種族】  覇王(龍族) 

【年齢】  19   

【レベル】 25 ★★  

【ランキング】 1位


【HP】  3230/86520     

【MP】  21360/70900-36000 


【攻撃】  11940+1500  

【防御】  9288+450   

【魔攻】  11940+1500  

【魔防】  9288+450   

【敏捷】  13114+40   

【運】   100       


【スキル】

・手加減Lv.MAX・指導Lv.MAX・騎乗Lv8

・吸血Lv.8・超音波Lv.9・罠解除Lv.8

・偽装Lv.MAX・変装Lv.4・連携Lv.MAX・指揮Lv.3

・水中高速移動Lv.MAX・水中呼吸Lv.MAX

・無呼吸Lv.MAX・共通言語


【ユニークスキル】

・【ステータス】極大強化

・【隠しステータス】極大強化・ナビゲーション

・絶対感知Lv.9・高速崩壊Lv.7

・神速多重思考Lv.8・全大耐性Lv.8

・超高速再生Lv.9・疾風迅雷Lv.8・修復Lv.7

・神速飛行Lv.6・性聖Lv.3・究極テイムLv.3

・透明化Lv.4・透過Lv.4・硬翼Lv.4・空中水泳Lv.4

・自我完全操作Lv.8

・天使召喚Lv.6【テンカ、テンナ、テンラ】

・強制進化(使用不可)・龍鱗Lv.3


【エクストラスキル】

・覇王Lv.8・魔眼Lv.7・武眼Lv.7・龍眼Lv.5

・強欲Lv.7・傲慢Lv.4・憤怒Lv.3・龍魔法Lv.4

・龍気Lv.3・白虎術Lv.3


【称号】

・先駆者

・挑戦者

・一騎当千

・耐え忍ぶ者

・名付け親

・強欲

・傲慢

・憤怒

・新種

・種族の王

・龍種

・龍の親

・四神流刃術

・○○への通行許可書

・東のダンジョン完全クリア

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