英士「へ？」

バカみたいに呆けていたのが悪いんだけどさ…変な声出ちゃったよ…

英士「だ、大丈夫？さ、冴多ちゃんの彼女？」

心紀「…そう。って言いたいけどね。違うよ」

少しの間の後、そう答えた冴多ちゃんにオイラは…

心紀「ホッとしたでしょ？英ちゃん。顔に出てるよ」

図星だ…顔がアッツい。酒は好きなのに、直ぐに顔に出ちゃうオイラ

いつにも増して、早く酔いが回りだして…

翌日

冴多ちゃんの務める病院に向かったオイラ

ピアノの旋律の聴こえてくる部屋の入り口に立つ様に言われたから

入り口の中を覗くと

あの娘(コ)だ…

胸がバクバクと煩く鳴って

心紀「彼女は、桜王風歌(さくらお.ふうか)さん21歳だよ」

後ろから冴多ちゃんが…

気配に気が付いたのか、演奏の手を止めてオイラの方をみた彼女…

風歌ちゃん

やはり、寂しそうな…悲しい表情の風歌ちゃん…

英士「初めまして。凄く寂しい曲だね」

口からツイ出た言葉は、初めて挨拶を交わすには不似合いな言葉達で

風歌「…」

微かに、驚いたような表情をした(気がする)風歌ちゃん

その大きな美しい瞳で、ジっと見つめられドギマギしていると

ふわりと微笑んだ(気がした)風歌ちゃん…

それがオイラと、風歌ちゃんの出逢い

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい