桜散る

咲いて咲いて狂い咲く

今宵も憂う花弁の舞

ひとつふたつ消えてしまう

星の定めは儚き過去の輪郭


水面に漂う月をつま先で

あやし退屈を紛らわす

彼の地に消えた影を待つ

想いは雲の隙間に浮かぶ


一夜、二夜と数えて流れる

涙は枯れることはなく

刀の先に終わりを求め

迷う私を許して欲しい


咲いて咲いて狂い咲く

今宵も憂う花弁の舞

ひとつふたつ消えてしまう

星の定めは儚き過去の輪郭

抱いて抱いてあの日から

胸に秘めたままの想い

絶えず消えぬ恋心

今宵もたゆたう儚き空蝉


一夜、二夜と数えて憂う

終わることなき数え唄

一夜、二夜と重ねる輪廻

醜さ隠す薄化粧


咲いて咲いて狂い咲く

今宵も憂う花弁の舞

ひとつふたつ消えてしまう

星の定めは儚き過去の輪郭

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る