記憶の断片
一ノ瀬樹一
波の囁き
静寂に波の音 泡と消える縁どり
すべてをさらってしまった跡
記憶は形を変え 笑い声は露と消える
それでも静かに囁く波
消えない悪夢に怯え 寂しさが絡みつく
昇る光が眩しくて 落ちる夜に想いを重ねる
ささやかな願いも 波の随に沈んで
揺られて形を変える
言葉なくした想い 瞳に映る風景さえも
すべてを洗い流してくれ
暗闇に迷い込み 光さえ届かない
凍える深い海の底
すくい投げる命が 指の隙間から落ちる
無慈悲に囁く波の音
剥がれ落ちる未来に怯え 水面に揺れる言葉
昇る光が眩しくて 落ちる夜に想いを重ねる
白い月明かりも 波の随に沈んで
溶かされて形を変える
行く先をなくした想い 叫ぶ言葉の意味も
すべてをさらってしまうのか
波の囁きに
胸焦がして
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