スタンドオンフィート

春嵐

速さが分かる。

生きるものの速さ。命の煌めき。

一瞬輝いて、ほんのすこしだけ光条を残して、消える。

「夢だ」

夢だった。自分の姿がない。顔がない。手がない。見えない。

「不思議な夢ね」

命の輝きを眺める夢なんて。

ロマンチック。

また光った。

あんなふうに、自分の命も、光って消えていくのだろうか。

「どうせなら」

強く光りたい。人に見えなくてもいい。ほんの一瞬だけ、ただ、一度だけ、焦がれるような輝きを発して、散りたい。

光。とても強く。


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