残りカス

じとりと体を舐められた

空気にゆっくりと舐められた

髪が皮膚を滑りながら落ちていく

ゆっくりと空気に触れながら

冷たい床に転がった

抜け方もさわり方も転がる姿も

人そのもので

やはり人なんだと思い知らされた

私の体は生きている

舐められ触られ落ちて

削がれて土にかえれ、ない

床は土にはなれなくて

私は生ゴミとして燃やされる

私の命は燃えるだけ

骨も何も残したくない

けど残る、魂も残る

滑り落ち、触れられることなく

還れず、土塊になれず

木にもなれず、思われることもなく

やはり、魂も薄くなり霞のように

なれれば、よい、なれたら、いい

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