11:嗚呼、夏休み
明日からは待ちに待った夏休みだぜ!
やったぜ。
今日の午前までの終業式が終わればいろんなことができる。しかも今年は、かわいい女の子がたくさんいる!
今年はとっても楽しい夏休みになりそうだな。
「なに、ニヤニヤしてんの? モブちゃん。」
「ああ、いやなに、明日からの夏休みに何しよっかなぁって考えてたらニヤニヤもするさね。」
「どうせ、いやらしい事考えてたんでしょ。」
「何を言いますか。前も言ったけど俺は、女の子と気さくに話して、遊びたいだけなんだ。イチャイチャは健全にをモットーにしてるからね。」
「お前、そういうとこ変わってるよな。」
天使ちゃんとの会話に加わってきたのは紛れもなく、連 廉だ。こいつも俺の夢であるハーレムを築くため、応援してくれる。
れんれんは俺の顔を見るなり、思い出したかのように自分の席に戻り、
「そう言えば、結城先輩から預かりものなんだが、心当たりあるか?」
と言って俺に封筒を渡してきた。
封筒の中には手紙が入っていて、『本日、放課後、家庭科室に来てください。 亜莉須』
と書かれていた。俺は浮かれた気持ちを抑えて、れんれんに感謝を述べて自分の席に座った。
ニヤニヤしながら俺は授業を受けていたため、変な奴だと思われていたがそんなのはどうだっていい!
結城亜莉須先輩が、俺に用だと? そんなの告白しかねえだろぉ~? と思いながら放課後を待ち望んだ。
そして、ようやく放課後、、俺は手紙の通り、家庭科室で待った。
待ちくたびれた時に現れたのは結城先輩ではなく、札杜 礼さんだった。え?もしかしてそのパターンなのか?向こうもこちらに気付いたのか、こちらに近寄ると
「マスター、あなたが呼んだのですか?」
「いや、俺じゃなくて結城先輩が、、」
続いて家庭科室の扉を開けたのはきらりさんだった。
「ういーっす! モブっち! 話って、、何?」
きらりさんは何かを察しているように頬を赤らめながらもじもじしていた。あやさんはムスッとしながら
「マスターは、私に用があったんですよね・・・。蒲生さんには関係ないことです。」
「うっせえ、貧乳のくせに。」
「胸の大きさは関係ありません、、ですよね。」
なんだこの修羅場は、、嫌じゃない! でも、俺のために争わないでくれ~。
「仲いいねえ、二人とも。やっぱり信男くんの友達みたいねえ。」
そこに現れたのが件の結城亜莉須先輩だ。結城先輩に駆け寄って事情を聞いてみた。
「先輩、何がどうなってるんです?」
「ん~? えーとね、じきにわかるよぉ。」
じきにわかる? どういうことだ?彼女の言葉を考えているとまたも、家庭科室の扉が開いた。
「おじゃましまーす! 結城さん! あっ、みんなもいる!」
元気な天使ちゃん、そしてそれに連れられてきた男・・・。
「よっ。」
「よっ、じゃないよ! さっき、おまえ、俺宛の手紙渡したのに言わなかったのか?」
「お前の顔、面白かったぞ。」
クスクスと嫌な笑い方をしてくるれんれんだったが、こいつも全員集められていた事は知らなかったらしい。
談笑していると結城先輩が先輩らしく俺達をまとめ上げて話を始めた。
「みんな、今日は集まってくれてありがとう~。それでね、信男くんとの縁が深そうなみんなを集めて、手芸部(仮)を作りたいんだけど、どうかなぁ?もちろん、活動内容は信男くんとお話ししたり、遊んだりするだけの部活だよ~。」
その話に多くは否定しなかったが、あやさんだけは乗り気でなかった。
「マスターと一緒にいられる時間が出来るのはうれしいですが、私は剣道部があるので、、」
「兼部OKだよ~。信男くんもいいよね?」
「俺は別にいいよ。 剣道してる姿のあやさんも見たいから、試合近かったら言ってよ。見に行くから。」
あやさんはなんとありがたい言葉か! と言って立膝をついてお礼を言っていたがこっ恥ずかしかった。
「よし、ここからが本番なんだけど、夏休みに手芸部(仮)でキャンプをしたいなって思っています!日にちは出来るだけみんなが行けそうなタイミングにしたいのでSNS交換しよ?」
おぉ~。なんてリア充なイベントなんだ。れんれんも固まってやがる。
当然俺達はそんな極上のリア充コースを存分に楽しんだことはない。しかも、中心となって!!これが<魅力>の力なのか!! ありがとう個性、すばらしい個性!
みんなでSNSを交換し合い、しばしの談笑と、スケジュール調整が入った。
そう言えば、結城先輩はどうやって俺達情報を知り得たんだろう。 れんれんや天使ちゃんは分かるがあやさんや、きらりさんの話なんてした事無いのに、、。
「そう言えば、結城先輩。 あやさんや、きらりさんの事はどうやって知ったんですか? やけに情報つうですね。」
「えへへぇ、知りたい?」
「聞きたいです!」
「いいよぉ、じゃあ、出てきていいよぉ。」
結城先輩の合図で出てきたのはスレンダーでお姉さんのようなメガネのお姉さんが現れた。スレンダーなお姉さんはメガネをクイッとして一息つくと
「妹の結城愛海です。一応、一年です。」
「「「えっ」」」
ここにいた全員が驚いた。確実に妹の愛海さんの方が亜莉須さんより年上そうなのに実際は逆という謎が今ここで起きているためみんな困惑した。結城亜莉須先輩は困惑した中で彼女の説明を続けた。
「この子ねぇ、ペキュラーなんだぁ。人のあらゆる情報を引き出せるんだって!」
「人懐っこいって言ってもらえる?」
かくして、愛海さんも加わったことでにぎわいそうな俺のハーレムロード、(ハ道)は益々勢いを増して行く。そして俺はハーレムの王略してハ王になるべくして奮闘するのであった。
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