小説めくり365と１日

12月３日

　わたしの好きな服屋が、わたしの好きなアニメとコラボするということで、勇んで出かけた。

　だが、呑気過ぎたのだ。

　オープンちょっと前に出かけたらずらりと列ができていた。

　うわあ、買えるかなあ。Tシャツ一枚欲しかっただけなんだけど。三万以上買ったらノベルティつくって言うけど、日常で使えるアイテムないしなあ。なんておもっていたんだけど、そもそも買えもしないかもしれない。

　じゅんぐりと人数制限されながら入っていく。

　外からガラス越しに眺めていると、

　その１　転売ヤーの悪魔（多分アニメに興味ない。おっさんである）

　その２　爆買いの悪魔（二人連れで現れ、テレビ電話で通話しながら買い物、長い）

　その３　推し活の悪魔（とにかく買う、そして現物を見ると買うか買わないかの選択に迷う）

　たちが店員さんにあれこれと指図している。

　いつまでたってもわたしの番は来ない。

　一時間ほど経ってやっと入れた。なんとかTシャツを買えたものの、くたびれてしまい、店内を眺める気力も失せた。

「3万円以上お買い上げで」

　店員さんにいわれたけど、断った。わたしは入って五分で店をでたけれど、悪魔たちはずっと買い占めをし続けていた。

　なんか、まともに買い物もできない世の中になった気がしてならない。

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「今日はなにー？」

「今日はみかんの日〜」

冬はやっぱりみかんがいいよね。ビタミンC補給できるしね。