10月4日
いつまでもわたしのおばあちゃまは若い。まるで魔女だ。
「秘訣は若い見栄えのいい男を従えることよ」
恐ろしいことをしれっと言ってのける。
たしかに、この人の周りにいる男の子たちは全員見栄えがいい。わりとジャンルはかたよっていない。線が薄い男、厚い男、色白、色黒、さまざま。
近所のいい男が働いている店を彼女は熟知しているし、わたしをよく連れて行く。
時折親切にしてくれる、という近所の大学生なんかとお茶していたりして、本当にこの人は魔女なんじゃないかと思う。
「あなた、顔ばかり見惚れてちゃダメよ」
いい男を従えているばあさんがよくもまあ、と思いながら、わたしは話を聞く。
「みんな、心根が優しいんだから」
心根、ねえ。
「すべては顔に現れるのよ」
やっぱりこのおばあさんだって、面食いだ。
「今日は××くんのシフト日だから、コンビニいかなくちゃ」
おばあちゃまは立ち上がった。
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「今日はなにー?」
「今日は古書の日〜」
古本屋さんが好きです。旅先で見つけるとかならず寄ってしまいます。思わぬ掘り出し物があったり。倉敷の蟲文庫はおすすめです。
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