　入ったレストランで、デザートを頼もうとしたら、どれも売り切れていて、一番不人気のミルフィーユだけしか残っていなかった。

「じゃあ、それで」

　仕方がない。今自分は甘いものがほしいのだ。諦めるという選択肢は、ない。

　なのでひさしぶりにミルフィーユを食べたのだけれど、やっぱりいつも敬遠しているだけあった味わいだった。もっとイチゴとかクリームチーズとか、そういうやつが欲しかったのだ。

　帰り、コンビニでケーキを買おうかなと考えた。さっきの雪辱戦みたいな気分で。こういうとき、躊躇しないのがわたしである。しかし、またもやミルフィーユしかない。諦めるしかなかった。

　この地域にはいまミルフィーユしかないのかよ……。

　いや、カロリーを摂取しないでよかった、と思うべきか。明日こそは、別のケーキを……。

　いや、毎日食べるのはそれはいかんだろ。

✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

「今日はなにー？」

「今日は民放の日〜」

数々の伝説の番組が生まれては消えていったのであった。いまは配信もしてくれるから気軽に観れたけど、ビデオテープで録画とか、野球で伸びて録れてなかったりしたよね〜。

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