4月19日
寝起きが悪いのはいつものことだが、今日はとくに酷かった。朝がさわやかなんて誰が言ったのだろう。そんなふうに感じたことなんて一度もない。
ゴミを捨て、ふらふらと歩いた。公園の喫煙所でタバコを吸った。喫煙所にいる人たちはだいたい険かったりくたびれたりしている。自分もそうだと思う。
朝を楽しむことなく、わたしは家に戻って布団をかぶった。
なにもしたくないな……目を覚ましたらなにもかもよくなって、ごきげんな気分で暮らせたらいいのになあ。
そんな願いは叶わず、やはり起きたばかりのぼんやりした気分のなかで、「だるい」とつぶやいた。
今日はなにもしなかったな。
わたしはスマホをだらだらと見た。
「あ」
今日はわたしがいつも読んでいる漫画の単行本の発売日だった。
勢いよくドアをあけ、本屋まで走った。閉店間際ぎりぎりセーフだった。
わたしは一日なんであんなにくたびれていたのか、忘れた。
翌朝になるまで、思い出さなかった。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
「今日はなにー?」
「今日は地図の日〜」
江戸時代の古地図と現在の地図を見比べたりするのは面白い。なんだか不思議だ。僕が生まれる前から世界はあって、いつの間にか消えた場所があるなんてさ。
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