4月17日
あの人のことを好きなのだけれど、どうにもなりそうもない。そりゃそうだ。わたしはアピールしていないし、そもそもあの人は眼中にないのだ。
悲しいもんだなあ、と思いながら一年が過ぎようとしていた。悲しいと思っていながらも、誰かをただ好きな状態というのは楽だった。身体は変化を好まない。なので、そのままいること、それが一番の快楽なのだ。
結末はあっけなかった。
好きだった人が結婚してしまったので。べつに結婚式にも行かなかった(そもそも呼ばれていない)。
このままだと、誰も好きな人がいない状態が、一番楽となってだらだら過ごしてしまうなあ、と恐れた。
別に悪いわけでもないけど、ちょっと悲しすぎやしないか、と思った。
なので、街に出た。
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「今日はなにー?」
「今日は恐竜の日〜」
好きな恐竜はティラノザウルスです。
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