2月25日
その小説家のファンだったわたしは、その人がこんなものを書いてしまったことにがっかりした。
なんてくだらないんだろう。
SNSに思いの丈を書き連ねた。
あの小説家は毎日エゴサしていて、いい感想はかならずいいねとRTをする。わたしのツイートは無視された。
むかつきすぎて散々悪評を投稿したら、ついにはブロックされてしまった。なんだこいつは。買ってやった客だぞ。
数ヶ月後、そのくだらない小説がある文学賞を受賞した。長年のファンとしては、おめでとうと言いたかったが、伝える手段はない。もう一度、その本を読み返した。やっぱりくだらなかった。でも、受賞はめでたい。あ、これが受賞したとしたなら、この人似たようなくだらないものを書き散らかすかもしれない。なんとかしなくては。
別アカを作ってこの作品のことを再び中傷した。その作家のために。なんでわかってくれないのだ。
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