2月21日

 妹がずっと眠ったままだ。

 はじめ家族は驚き、泣き、悲しみに浸りの大騒ぎだった。

 いまではもうこの状態が当たり前になってしまい、日常を続けている。一度僕の結婚が妹のせいでうまくいかなかった、くらいだが、それも今思えばたいしたことはなかった。そこまであの人と結婚したかったわけでもないのだろう。

 もう何年こんなふうだったかも、きちんと数えないと思い出せない。

 妹はなんやかや、いろんなチューブを身体中にくっつけて、生きている。

 僕らよりもずっと長生きしそうだ。

 僕らがいなくなったとき、世の中が妹のことをどう扱うのかを空想する時がある。

 とても嫌な気持ちになる。

 なのに、少しだけ愉快なのは、僕の性格が薄汚れているからなんだろうか?


✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

「今日はなにー?」

「今日は漱石の日〜」

全部読みたいと思ってるんですが、実はまだまだだったりします。今年こそ読破したい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る