1月15日
わたしがいま一番好きなのはタマちゃんである。名字が玉村だからタマちゃん。
タマちゃんは顔がいい。二重だし、眉毛がきりっとしている。サイドを刈り上げた髪型はいまどきだ。背も高いし、足も長い(ように見える)。
なのにクラスではあまりモテない。ほかの男子が全員イケメンなわけでもないのだが、面白かったりちゃらついてるこのほうが、注目を浴びるのだ。
わたしはタマちゃんウオッチングをよくする。体育で男子がサッカーしているときぼんやり突っ立ってるのを見つけたりすると、嬉しくなる。運動だってタマちゃんはできないわけでもない。
これは恋なのだろうか? と考えてみるのだけれど、どうも違う気がする。キンプリとかストーンズを応援するのともちょっと違う。
ただ、困ったことが起きた。クラスメートのチカちゃんが、どうやらタマちゃんのことが好きらしいのだ。
わたしはチカちゃんに訊ねたかった。「タマちゃんのどんなとこが好き?」と。
わたしはわたしがさぱりわからないのだ。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
「今日はなにー?」
「今日は小正月〜」
ああ、次の正月ずっと先だな〜〜〜〜。もう来年のこと考えちゃう。でもきっと一年たったら今の気持ち、忘れてる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます