第14話 ちゃうねん……
「……ヤバい。ヤバいヤバいヤバい。ヤバいって」
こちらに向かってくる
いや、本当にこれはヤバいって! まだ裸エプロンハーレム状態の
というか何でこんな時だけ仕事が早いんだよ? 政府の仕事なんて上からの許可を取ったりとかでグダグタして、遅いものじゃないの?
どうする? こうなれば指名手配犯になる覚悟でヴィーマーに戻るか? ……いや、無理だ。異世界に移動するには準備に少し時間がかかって、とても間に合わない。
自分の中で結論が出て諦めの境地に至ったのと同時に、艦獄長管理局のヘリコプターは一度俺達が乗る艦獄より上空に上昇した後、艦獄の甲板で開けている場所に着陸したのであった。そしてヘリコプターのドアが開くと、そこから黒のスーツを着た一人の女性が姿を現した。
「初めまして玉国龍人さん。私は先程お電話をさせていただいた艦獄長管理局の白部と申しま……………えっ?」
ヘリコプターから出てきたのはやはり俺に電話をかけてきた白部さんで、彼女はいかにも仕事が出来る役人みたいな表情でこちらに挨拶をしようとしたのだが、アルテー達の裸エプロン姿を見た瞬間固まってしまった。
……うん。分かっている。いきなり目の前に裸エプロンハーレムが広がっていたら驚くだろうな。
「あ、あの……? た、玉国、さん……彼女達は一体……?」
白部さんはまるで危険人物を見るような目で俺を見て恐る恐る話しかけてくる。それに対して俺は……。
「ちゃ、ちゃうねん……」
と、関西弁でそう言うことしか出来なかった。
いや、本当に違うんですよ! 確かに俺はメイドエプロンを着た女性は好きだし、裸エプロンには興奮を覚えるし、アルテー達みたいな美女美少女達が裸エプロン姿になってくれたことは嬉しかった! でも俺は決して自分からアルテー達に裸エプロンを着るように強要していない! 信じてください!
俺は白部さんに事情やら自分の気持ちを伝えたかったが、今の状況では何を言っても逆効果な気がしたし、俺自身動揺していたので上手く言葉を出せなかった。
「リュウト? 彼女は何者だ?」
「あの人、マスターの知り合いなの?」
「初めて見る乗り物ですけど、艦獄と同じように空を飛ぶなんて……旦那様の世界には不思議な乗り物が多くあるのですね」
「……!?」
俺が上手く言葉を出せないでいるとアルテー、マナ、マリスさんだけでなく、俺の部下である裸エプロン姿の女性達が次々と集まってきてそれを見た白部さんは絶句してしまった。
だ、誰か。誰かこの状況をなんとかしてくれ……!
「うわ~。これは中々に凄い光景ですね?」
思わず天に祈ったその時、俺の祈りが通じたのか、ヘリコプターから白部さんとは別の女性の声が聞こえてきた。
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