02.13.本題
「その前に1つ、確認しておきたいことがあるのですが」
「辛かったですわよね。でも、もう安心して宜しいのですよ。私も
「
ううん、
「でも……」
巻き込みたくない。僕の所為で
何とかしなきゃ……、
「一人で抱え込まなくていいんですよ」
「えっ」
突然
「あれっ」
涙が溢れてくる。
「何で……」
「涙と一緒に嫌なことは全部流してしまいましょう。私の胸でよければいつでもお貸ししますわ。結構自信ありますのよ」
「うっ、ううっ……」
この何年か、こんな事を言ってくれる人は居なかったし、そういう状況でも無かった。僕はいつも一人だったし、頼れる大人も居なかった。
◇◇◇
「ところで、そろそろ本題に入りたいのですが」
僕が一頻り泣きじゃくってスッキリしたところで、
「本……題?」
えっと、今までのは……
「ええ。流石の私も絶望の縁にいる人をあれこれ問い詰めるような真似は出来ませんから」
「あれこれ? 問い詰める?」
「そうですねぇ、単刀直入に言うと、私、
なんだ、そんなことか。
「
「それだけですの? 血の繋がりは無いわけですよね? ひとつ屋根の下に暮らしていたら他の感情が湧き上がってきたり、間違いが起こってしまったりしないのでしょうかしら?」
こんな体になっちゃったし、
「間違いどころか、口も利いてくれないから」
「
どうしてって言われても、それは
「前は普通に話してたんだけどね。一緒に暮らすようになったら話しかけても無視されちゃって」
「そうでしたか。いずれにしても
「まあ、そうだけど」
拒絶というより、寧ろ仲良くしたいぐらいだ。
「
「再婚する前の両親が同じ会社だったからね。イベントとかで何度か会う機会があったんだ」
「ご両親と貴女方、どちらが先に惹かれ合ったのでしょうね?」
「それは……」
実際どうなんだろう。僕が
「否定しませんのね」
「えっ、いや、惹かれ合ったわけじゃないというか、
「つまり、
「どうなんだろう。今の
だって、僕が好きになったのは
「そうでしたか。先程も申した通り、私は
「ライバル……」
「ええ。ひとつ屋根の下に暮らす血の繋がらない妹なんて、ライバル以外の何者でもないではありませんか」
血の繋がらない妹か……
まあ、実際そんな展開を僕も期待してたわけなんだけど。
「妹じゃなくて姉だから」
「あら、そうでしたわね。でもまあ、そういうことですので、私、告白しようかと思いますの」
「告白?」
「何か問題ありまして?」
本当は女の子だって教えてあげたいんだけど……
人の恋路を邪魔する筋合いもないし、どうするかは
「ううん、問題は無いと、思う」
「ふふ。素直じゃありませんわね。仕方ありません、貴方が元に戻るまで待つことにしますわ」
いや、素直に教えちゃったら逮捕されちゃうもん。でも、何でだろう。別に今直ぐにだってショックは受けないと思うんだけど。
グググー
と、ここで僕のお腹が盛大に訴えかけてきた。今日は朝から殆ど食べてなかったからなぁ。
「えへへ」
「あらあら。少しは元気になったみたいですわね」
「うん。ありがとう、
「ええ。これで終わりですわ」
「じゃあ、次は
「そうですわね。望み……、私の望みはただ一つ」
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