第19話 それからのこと。

幼き日の裁かれなかった無邪気な罪は

色褪せはしても決して消え去る事ない

まるで引いては寄せる波のようで

時に残酷なほど鮮明によみがえる

形あるものはやがて姿を変えて

いずれ壊れてまた生まれ変わる

純粋なものに触れるたび感じる

美しさが痛い程胸に突き刺さる

可哀想と思う傲慢

ただ懸命に生きる

目の前にある真実

日の光さえも平等ではないと

届かない謝罪の中に含んだ

宥恕ゆうじょを願う拭えない下劣

ただそれを背負ったまま生きる

裁かれなかった代償が心に食い込んでいく






 

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