第1020話 な…何で…
さて、朝のミーティングも、無事…かどうか良く分からないが…終わったわけなのだが、とっても重要な事が残っている。
昨夜倒れてから、ずっと俺の寝室で眠っている、決戦用特殊兵装・重戦機LガールMark.Ⅱのミヤの事だ。
モフリーナは、そのうち目覚めるから大丈夫と太鼓判を押してはくれたが、さすがにずっと目を覚まさないと気になる。
え? んじゃ、お前は昨晩どこで寝たんだって? 気になるとこって、そこなの?
もちろん、自分の寝室のベッドで寝ましたよ? 嫁ーずとナディア達に完全包囲されて、ミヤから一番離れたベッドの隅で1人丸まって寝てましたとも。
言っとくけど、何もしてないからな? 部屋中にいつもよりも強烈に女の匂いが充満してムラムラしたけど、何もしてません!
あ、いやそんな事はどうでも良い。
流石に見た目幼女がずっと寝覚めないなんて、誰だって気になるだろう?
なので、様子を見に行く事にしたんだ。
無論、俺には学習能力があるから、ちゃんと嫁ーず&ナディア達と一緒にな!
こっそり1人で様子を見に行ったりしたら、また有らぬロリ疑惑で色々と責められるから…女って怖い…。
そんなこんなで、取りあえず全員で俺の寝室で眠るミヤの様子を見に行く事となったのだ。
俺の寝室の前の廊下までやってくると、何故か女性陣に取り囲まれた。
しーっと、マチルダが唇に指を当てて俺に注意を促すと、そっと寝室の扉を無言で開く。
いくら決戦用特殊兵装・重戦機LガールMark.Ⅱ…ああ、面倒くせぇ、兵器のミヤだってプライバシーってもんがあるだろう?
ノックとか入室許可を求めて声を掛けるとかした方がいいんじゃないのか? 一応は、女の子の姿してるんだし。
小声で俺がそうマチルダにたずねると、「女同士だから大丈夫です」だってさ。
まあ、俺が怒られたりしないのならいいけど…。
開けた扉の影から、そっと室中を覗き込むマチルダに、また小声で訊ねた。
「お、おい…ミヤは起きてるか?」
嫁ーず&妖精達に囲まれている俺から室内は見えないが、あそこからなら超巨大ベッドが見えるはず。
当然だけど、そこに寝ているであろうミヤも。
「…いえ…まだ寝ている様です…」
まだ気を失ったままなのかな?
「ですが…」
「どうした、マチルダ?」
まさか、緊急事態でも起きたのか?
「いえ…昨日寝たのは間違いなくベッドの右端よりでしたのに、今は中央付近に…あれ?」
「ね、寝返り…かな?」
兵器…だよね、ミヤって?
「寝返りにしては変ですね? 昨夜と全く同じ姿勢であそこまで移動を?」
こうまで言われたら、流石に我が家の好奇心旺盛な面子が興味を示さないわけが無い。
どれどれ? っと、嫁ーずも妖精達も、扉から中を覗き込んだ。
当然だけど、俺も一緒に覗き込んだよ。
室内にはでっかいベッド。
そして、マチルダの言う様に、真ん中付近にめっちゃ姿勢よく眠るミヤの姿。
確かに昨夜寝かせた場所から移動してるっぽいな。
「なぁ…俺が朝起きた時は、間違いなく元の場所でミヤは寝てたぞ?」
『私達も確かに見ました』
俺だけじゃなく、嫁ーずも見てたか。
って事は、俺達が起きてから今までの間に、寝返りをうったのかな?
それにしても、滅茶苦茶良い姿勢で寝てるな…あのまま立ち上がったら、直立不動の気をつけの姿勢だぞ。
「マスター。こんな事もあろうかと、妖精ともっち君で監視をしておりました」
全員で横たわるミヤを見ていると、ナディアが声を掛けて来た。
なるほど、妖精による監視か…。
なぁ、ナディアさんや…夜の夫婦生活は監視してないよね?
おい、何でそっぽ向くんだ? おい、プライベートまで監視してないよな?
まさか、お前等姿を消して寝室に侵入してたりしないよな? おい、何か言えよ!
「よ、妖精達! 早く報告に来るのです!」
何でそんなに焦ってるんだ、ナディア? おい、こっちゃ見ろ!
俺が一言ナディアに文句を言おうとしたその時、空気が固まったのを感じた。
ナディアだけでなく、アーデもアームもアーフェンも、ミヤの方を見て固まっていたからだ。
数秒ぐらいかな? 固まっていたナディアが、震える指でミヤの方を指さしながら、これまた震える声で言った。
「な…何で…妖精ももっち君も…握られて…?」
その言葉に、俺も嫁ーずも、『えっ?』と声をあげてミヤの方を見た。
今まで気付かなかったが、ミヤの右手には妖精が、左手にはもっち君が握りしめられていた。
『ええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?』
そんな光景を見て、思わず大声をあげてしまった俺達は、絶対に悪くないはずだ。
※ 妖精女王の騎士 ヴィー ≪Knight of the Fairy Queen、Vee ≫ 改訂版
https://kakuyomu.jp/works/16817330657187983790
旧作品の設定・文章等を見直して、再投稿始めました
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