第808話  ついに完成しました

 むふふふふ…コツコツと作り続けて数十年…嘘です7日です。


 ついに完成しました、マインドコントロール・キャンセラー&脳波遮断装置!

 マインドコントロール…ええい、名前がな長い! 解放君でいいや。

 解放君は、管理局からの何らかのマインドコントロールを受けてた場合、それを解除出来る優れ物。

 大きさは手のひらに余裕で乗るぐらいで、形は正四面体の、一見するとサイコロにしか見えない。

 ちゃんと・で1~6まで描いたのだから、完璧に見た目はサイコロだ。

 こいつの凄いところは、実は常時起動しているってとこ。

 何気なくこいつを触ると、途端にマインドコントロールあら解放されちゃうのだよ。

 あ、途端は言い過ぎか…累積でいいんだが、何度か触った合計が、大体10秒ぐらいで解放される。

 どうやって全員に何度も触らせるかが問題だけど、そこもちゃんと考えてあるから大丈夫なのだ。

 んで、もう一つは脳波遮断装置。

 言ってみたら、見た目はちょっとだけ大きいヘアピン。

 だけどこのヘアピンから半径30cmは、脳波だけでなく、あらゆる電波も遮断するのだ。

 勿論、外部からの干渉も受け付けないので、頭に着ければ完全に管理局からの監視から逃れられる。 

 どうだ、凄いだろう?

 名前は…遮断…断つ…絶つ…たっちゃんでいいや。

 若干、若くしてこの世を去った双子の弟が居た誰かさんの名前に似ているが、気にするな。

 うむ、俺は気にしない事にする。

 

 って事で、早速ヘッドギアの隙間から、たっちゃんを付けて、ヘッドギアを取ってと。

 うっし、これでOKだ! ひゃっはー! 俺は自由だーーー!

 だが、次の瞬間、俺は何かに負けた気がしてたまらなくなった。

 実は、俺自身の姿を鏡で見てみたのだが…何だろう、この何とも言えない痛い姿は。

 そう長い髪の毛でもないのに、いい歳した男が、ヘアピン付けて喜んでいるって……。

 ま、まあ気を取り直して、ここはこの先の為に必要な事なので、見た目が痛いぐらいは我慢しよう。

 無論、ここぞってときにだけ着けるつもりだから、今は執務机の中に隠しておこう。

 普段から着けてたら、嫁ーずだけでなく、誰からも奇異の目で見られそうだからな。


 次は、解放君の出番だ。

 まあ、俺は何度か触っているが、特に変化は無い。

 って事は、輪廻転生管理局にマインドコントロールされている訳ではないという事だろう。

 ただ、先天的に何らかの思考誘導などがあった場合は、これではどうにもならない。

 例えば、遺伝子に何かの指令が物理的に刻み込まれていたり…ないと思うけど、そうだと意味がない。

 だけど、後天的に思考に管理局の介入があったのであれば、これで解放されるはずだ。

 そう、『俺は、あの雲のよ〇に自由気ま〇に生きるのよ』って、南斗五〇星の雲さんの様なセリフが言えるわけよ。

 まあ、残念ながら俺は最初から自由だった様だけど。

 しかーし! 

 我が家の家族がマインドコントロールを受けていないとは限らないのだ。

 ま、まあ…マインドコントロールを受けていたから、俺のに対して好意を持ってたんだ…とか言われたら、それはそれで落ち込む事、間違いなしだけど。

 たとえ結果がそうであったとしても、管理局に人生を捻じ曲げられていたんだとしたら、ここで正気に戻してあげねばなるまい。

 ってことで、 

 ま、これは家族全員に、この解放君を触らせねばならんだろう。

 さっきも言ったが、ちゃんとその為の策はある。

 このサイコロ形状にしたのには意味があるのだ。

 ま、ちょっとでっかくなったけど…それはおいといて。


 誰もが絶対に解放君に触る策とは!?

 それはずばり、双六だ!

 これならば、全員が遊びながらマインドコントロールから解放される事、間違いない。


 そう、俺はここに宣言する!

 トールヴァルド一家全員参加の、大双六大会の開催だ!

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