第133話  (番外編)コルネは9歳です!

 こんにちわ! コルネは、コルネリア・デ・アルテアンと言います! 9歳です!

 家族はみんな、コルネって呼びます。

 

 お父さんは伯爵してます。

 戦争で、敵の偉い人をたった1人で何人も倒した英雄なんだそうです。

 お兄ちゃんは子爵です。

 コルネが子供の頃に、すたんぴーどって言うのがあって、村がピンチでしたが、お兄ちゃんとお父さんが村を守りました。

 この前は、隣の国との戦争に行って、お兄ちゃんが、たった一人で誰も殺さないで勝ったそうです。お兄ちゃんは、国王様に褒められて子爵になりました。

 あと、お兄ちゃんは、聖なる女神ネス様の使徒をしています。

 使徒ってよく分からないけど、ネス様のお言葉を聞いたり出来るそうです。

 すごいです! 

 コルネは、2人をとってもとっても尊敬してます!


 コルネは、聖なる女神ネス様の巫女? っていうのになりました。

 巫女って良くわからないけど、ネス様にお祈りをする人だそうです。

 あと、生命の樹のお世話もしないといけません。

 お水をあげたり、周りの雑草を抜いたりしています。


 あ、生命の樹って言うのは、ネス様の分身? で、ご神木って言います。

 お家の裏に、一日でニョキニョキ伸びて、街のどこからでも見えるぐらい大きくなった樹です。

 とっても大事な樹なので、お世話はかかせません。

 お兄ちゃんは、出来る日だけでいいよって言ったけど、頑張ります!


 巫女になった時に、お兄ちゃんがとっても素敵な物をプレゼントしてくれました。

 あ、間違えました! 聖なる女神ネスさまからでした!

 お兄ちゃんが受け取って、持って来てくれました。


 ≪純白の創界シスター≫に変身できるネックレスです。

 とってもピカピカ光ってて、綺麗なひまわりの花の形をしています。

 コルネがこれを握って、「じゅんぱくのそうかいしすたー! めたもるふぉーぜ!」と言ったら、変身できます。

 真っ白なしすたー服? って言うのに、あっという間に変わります。

 お顔にも白い仮面がつきます。

 そして右手に私の身長より高い、白色の杖が現れます。

 ≪シャクティーの杖≫って言うらしいです。

 杖の先には、金色に輝く丸い輪っかの中に、ネス様の像が付いてます。

 お兄ちゃんが言うには、この杖には精霊さん? がいっぱい寄ってきて、お願いしたら魔法が使えるんだそうです。

 だけど、勝手に魔法を使ったら駄目です! お兄ちゃんに怒られます!

 とっても不思議な服と杖で、暑くも寒くも無くて、仮面を付けててもとっても周りが良く見えるし、息苦しくもありません。お兄ちゃんが言うには、毒も無害化? されるそうです。杖は、コルネ以外の人にはとっても重く感じるそうです。コルネは片手で持って、ブンブン振りまわせます。でも、危ないからしません。


 ≪純白の創界シスター≫に変身して魔法を使うのは、ちゃんと練習しないと駄目だそうです。

 お兄ちゃんが魔法を使ってる所を見た事があります。

 おっきなトンネルをガリガリガリガリ掘ってました。魔法すごいです!

 でも、コルネにはまだ早いって言われました。残念です。

 ちゃんとナディアお姉ちゃんに教えてもらって、練習しないと危ないので、絶対に勝手に使ったら駄目って言われてます。

 お兄ちゃんの言う事は、絶対に護らないと駄目です!

 お母さんにも、お兄ちゃんの言う事は聞くようにって、言われました。

 でも、お父さんの言う事は、あんまり聞かなくても良いよって、お母さんが言ってました。ちょっとだけ、お父さんが可哀想です。


 あ、ナディアお姉ちゃんって言うのは、聖なる女神ネス様の眷属の妖精さんだそうです。背中に綺麗な羽があります。触らせてもらったら、暖かくて柔らかかったです。コルネも羽が欲しいです。

 ナディアお姉ちゃんは、『ナディアと呼んでください』って言ってたけど、呼び捨てなんて出来ません!

 だから「ナディアお姉ちゃんって呼んでいいですか?」って言ったら、いいですよって言ってくれました。

 

 ナディアお姉ちゃんは、ネス様の巫女になった私を護るために、ネス様が遣わしてくれたそうです。

 ≪純白の創界シスター≫と≪シャクティーの杖≫の使い方を教えてくれます。

 毎朝の生命の樹のお世話が終わったら、一緒に練習に街の外まで行きます。

 白い仮面をつけていると、精霊さんが見えます。何だか丸くてぷにぷにしてます。

「火の精霊さん、コルネに力を貸してください!」

 杖の先に付いているネス様の像から、火が出ました!

 ナディアお姉ちゃんの言う通り、精霊さんにお願いしたら、ちょっとだけ魔法が使える様になりました。

 とっても楽しいです! でも、難しいです。頑張って練習します!


 練習が終わったら、お家に帰って、生命の樹の夕方のお世話をします。

 生命の樹でお祈りする場所は、お兄ちゃんが建ててくれた≪とりい≫っていう、木で出来た2本の横の棒を2本の柱で支えた赤色の門みたいなのの前です。

 神様の世界と、この世界の境目を意味しているんだそうです。

 ≪とりい≫の前に、コルネが座ってお祈りする場所があります。

 ここで正座っていう座り方をして、お祈りします。

 雨の日でもちゃんとお祈り出来る様に、屋根も付いてます。

 お祈りは、毎日の出来事を報告したり、ネス様に感謝の言葉を、心の中で唱えればいいそうです。

 お出かけする時以外は、毎日かならず朝と夕方に、お祈りしています。

 ナディアお姉ちゃんも、それでいいと言ってくれました。

 

 今日は、とっても大事な日です。

 ナディアお姉ちゃんが、お父さんとお母さんも生命の樹の前に来るようにいいました。

 コルネは、もう聞いているから知っています。

 妖精さんが生まれる日です。

 今、お家には妖精さんが6人居ます。

 普段は隠れてるので、なかなか会えません。

 でも、お家の皆を守ってくれてるそうです。

 この生命の樹が妖精さんを生む日は、ナディアお姉ちゃんにはわかるそうです。

 何で分かるんでしょう? コルネも知りたいです。


 ≪とりい≫の前で、皆でお祈りしていると、樹の上の方から妖精さんが2人降りてきました。

 気が付くと、コルネ達のまわりに、妖精さんがいっぱいいました! …えっと、今生れた妖精さんと合わせて8人でした。

 なんだか家族が増えたみたいで嬉しいです!

 お父さんもお母さんも喜んでます。

 妖精さんは、コルネの手の上に乗るぐらい小さいけど、ネス様の眷属です。

 もっと増えたら、お家だけじゃなくて、街の皆も守ってくれるそうです。

 早くそうなる様に、コルネは頑張って魔法の練習と生命の樹のお世話とお祈りをしようと思います。


 きっと、妖精さんがいっぱい増えたら、お兄ちゃんが褒めてくれると思うからです。


 そう言えば…最近、黒猫のくろちゃんが寂しそうです。

 魔法の練習と生命の樹のお世話とかお祈りで忙しくて、あんまり遊んであげて無いです。

 そうだ! 今日は一緒に寝てあげようと思います。

 だって、くろちゃんも、コルネの大事な家族だから!

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