第26話 異界者のための用語解説〜地理はバッチリ編その2〜
今回の個別単元web講座は、南側諸国について解説していきます。小学生レベルで解説しますので、地理がからっきしな大人の皆さんも必見ですよ!
●海没を免れた国々
前回は地図の北側、海没した地域について解説しました。今回は地図の下半分、海に沈んでいない大陸について学んでいきましょう。
海没を免れた地域は大きく分けて3つ。南側諸国、神庭島、東部地区があります。大陸を有するのは、南側諸国と神庭島です。
今回は南側諸国について解説します。
●南側諸国 魔境帝国を中心に緩くまとまる独立国家群
北側諸国に対して南側諸国ですから、南側の国々も連邦制をとっていると思われがちです。しかし実際は全くの別物。
南側諸国はそれぞれ独立した国家の集まりです。各国は同盟国ではありますが、そのつながりは通常かなり緩いです。南北大陸間戦争では久しぶりに団結し、魔境帝国を中心に北側諸国の侵攻を退けました。
南側諸国は、3つの大陸(魔境大陸、東魔法大陸、西魔法大陸)と南海諸島同盟国家群(SSIA)によって構成されています。
●魔法先進国が多く、科学技術は苦手
世界の南側は魔法粒が濃い地域が非常に多いです。魔物や魔法災害が多く住みにくい土地ですが、その分魔法資源も豊富。古来より魔法技術の開発が盛んでした。
一方で、科学後進国は多めです。魔法技術があれば科学技術を磨く必要性が無かったというのが理由でしょう。魔法使い人口が比較的少ない魔境帝国では、魔法技術と科学技術をバランスよく発展させています。
●南側諸国には魔法使いが多い?
南側諸国には魔法使いが多いといわれていますが、その認識は統計上も魔法学上も正しいです。
南側諸国は魔境帝国で約10%、東西魔法大陸では約20%を魔法使い人口が占めています。これは他の地域に比べて格段に多い数字です。魔法使い人口に高魔法親和性人口を足した魔法可発動人口は、それぞれの地域で50%~80%に上ります。
南側諸国に魔法の素質を持った人が多い理由は、魔法粒の濃度と胎児の生存確率が関係しています。魔法粒は低濃度では人命に影響しませんが、一定の濃度以上になると人命を分解する性質があります。人命が魔法粒の分解に耐えられる濃度は、その人の魔法親和性によって異なります。
南側諸国は基本的にどの地域でも魔法粒濃度が高めです。そのため、人々は胎児の時期から魔法粒に暴露している状態といえます。お腹の中で魔法粒の人命分解に耐えられた赤ちゃんのみが、無事に生まれてくることができるのです。
結果として南側諸国の人々は、魔法親和性が高い人が多くなります。(ただし北側諸国と南側諸国で女性の流産確率はほぼ同じなので、そもそもの体質も違っていると考えられる)
●東西魔法大陸にはDEBFYHQ+の大半が居住
最近魔族をルーツとする人々DEBFYHQ+との共生が話題となっていますが、彼らの大半は東西魔法大陸に居住しています。東西魔法大陸には魔物が多く生息し、魔族が暮らしやすい土地だったようです。
現在の魔法学では否定されていますが、魔族が魔物と人間の混血だという俗説も東西魔法大陸で昔から信じられているものでした。
東西魔法大陸は魔法使いとDEBFYHQ+で人口の過半数を占めています。「非魔法系人類の方がマイノリティ」という、他地域からは想像もつかない社会が存在しています。
●次回は地理解説の最終回!
いかがでしたか?今回は南側諸国の地理について解説しました。北側諸国とはまた違う、魔法の薫り高い地域でしたね。
次回は地理解説の最終回!神庭島や東部地区といった、住んでいる人以外にはなんだかよくわからない地域について解説していきます。
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