(二)‐7

 野上は、会社所有のショベルカーを持ってくるか、それとも死体を隠すのは道路工事現場にした方が良いのではないかともふと思った。しかし、ショベルカーを持ってくるにはダンプに積載しなければならなかった。それだと会社の人間に気づかれてしまう。

 工事現場に埋めるというのも現実的ではなかった。そもそも道路工事は自分一人だけで作業をするわけではなかった。少ないときは確かに二、三人のみで作業をすることはあったし、小さな現場、例えば個人宅の水道管の配管工事程度であれば、一人でも行うことができた。とはいえ、死体を埋めることのできるような現場では必ず複数人の人間がいた。


(続く)

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