100本エチュード

外清内ダク

1 息継ぎ

熱帯夜のような

いやに煮えた海に

おれは沈み

ふかく沈み

喉の詰まる息苦しさに

もがき上がり

やっと息継ぎする


そのときの喘ぎが

ごぼごぼいう叫びが

どこかに届くだろうか

だれにも届かぬだろうか


どのみちそのときには

おれは再び

海の下にいる

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