第32話 ぶっちゃけ、今の政治ってどうなの?

 この度東京都知事選挙があり、現職の小池百合子氏が返り咲き当選を収め、都知事在任3期目を勝ち取りました。その裏で前広島の市長である石丸氏の躍進、前立憲民主党の参議院議員蓮舫氏の得票の伸び悩みが露呈した形になりました。

 SNSを駆使したデジタル選挙戦とはいうものの、個人的に注目したのはITエンジニアの候補者安野貴博氏のAI対応です。(TVでやってました)この方は自分のマニフェストをAIに組み込んで、有権者の質問に答えるという対応をしていました。小池氏も「AIゆりこ」なる影武者を立てていましたが、その本質が全く違い「対話型(インタラクティブ)」である点、「ディープラーニング」する点があるという事が評価に値すると思っています。更に有権者の意見を取り込んでマニフェストをアップデートするのです。思わず感心しました。

 そもそも、こういったAIは何の役目に使用するのか?と考えたとき、一方的な主張の発信だけならば特にAIのような人間の恰好をした虚像にしゃべらせなくてもSNSのどこかに見れるようにしておけばいいだけです。しかし、選挙戦では体が一つしかないのですから、候補者が街頭演説しているときにそこに行けない有権者は学習するインタラクティブAIに質問すれば、きちんと具体的な政策が聞くことを可能にします。これはある意味「有権者のニーズに即応している」という事になります。今の人たちは「すぐ欲しい」「すぐ知りたい」という、「せっかちな」傾向があるため、そのニーズに答えた人が今後勝ち組になっていくのだろうと思われます。

 政治の本質はどうなんでしょうか?選挙前は「自民」対「立憲」の代理戦争的な色合いがフォーカスされましたが、ふたを開けたら結局石丸氏の躍進が大きく取り上げられています。それは何故か?「無党派層」が石丸氏に動いたという点です。大体今の60歳以上の方々は、現場や新聞、TVの情報を信頼しがちです。方やそれ以下の有権者はデジタル媒体を重視する傾向があります。その点をうまく利用したのかもしれません。

 地方選(都知事・議会選含む)に政党の支援・看板ってそもそも必要なんでしょうか?「無党派層」は支持政党がないのですから、「反政党主義」とも言えるのでしょう。ですから今回は「自民」対「立憲」の構図に嫌気がさしているのではないのでしょうか?政党ありきで首長、議会が決まってるから中央政界と「ずぶずぶ」な関係から脱却できないのでは?と思います。

 それより有権者は候補者が「何をしたいのか?」「どうしたいのか?」「実施のために具体的のどういう施策を考えているのか?」という主義主張を重視したいんだと思います。自分の住んでる地域の指導者を選ぶのに当然の視点ですが、都知事選であれば他の地方の人にも「東京がどう変わるのか?」というところが多少見えてほしいところです。如何せん各候補者のそこがよく見えない。国政も然り。ここが選挙の肝です。結局パフォーマンス的なことが選挙の争点になり、政治が一向によくならないという事を何年続けているんでしょうか?若い人たちはそこに薄々感づいていると思います。しかし、ここで言うところの「アナログ世代」の選挙に関する感覚が依然として立ちはだかっている。だから現状だと何も変わらない。ですが、ようやく「転換期」を迎えつつあるのではないかと思います。

 自分の意見が政策に反映されないのであれば、投票用紙に3つくらい重要な共通政策のチェックボックスを用意して有権者に書いてもらえばいいのではないでしょうか。今の世の中なら可能でしょう。共通政策なので、どの候補者が受かろうと有権者の重視政策が分かれば1つくらいは実行できるのではないでしょうか。

 政治が100%幸福をもたらすという事はまず無理なので、こちら側から変わっていけば少しは良い世の中?になるのではないでしょうか。やっぱり他力本願はダメなのかもしれませんね。

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