第22話 シフィ姉ちゃんの深層思考の考察⑥

「私はその魔道具よりも、その魔道具を作った製作者の方に、関心を多いに寄せているのだよ」


 やっぱり、そうきたか。私の魔導兵器を見た人達は、みんなそうなるんだよね。


 私案件は、大体が平錬協会を通して依頼がくるから、お貴族様の依頼は、あんまり受けないんだ。


 そこら辺の、ややこしいそうなお貴族様案件は、よっぽどじゃない限り、平錬協会が受けないから、私は、全然お貴族様案件に詳しくないんだよね。


「まず、簡単な背景を説明するとだな、ダルタロイア男爵家は、SPRス─パ─レアスキル『剣将』を伝え代々武門を担う家柄なのだが、私の代で、ようやく国王から褒美をたまわり、念願の領地を得ることとなった」


「我が男爵家は、もともとは、小さな宮廷貴族から始まったのだが、褒美を賜る時点の王都では、絶大な民衆の指示を受けており、王族側も我ら男爵家をやっと認めてくれたと、男爵家に従う者等や、我らを慕う民衆等で数日昼夜、多いに歓声が沸き王都全体がお祭り騒ぎのようになったものだ」


「今思い介してみるとあの当時の私が、一番輝いていたのかもしれんな」


「あれは確か、今から7年程前の出来事だったな」


「そして、その者等の中で希望する民衆全て率いて、希望を胸に秘め案内士官を伴い、王国から与えられた領土におもむいたのだ」


「その領地に向かう間も、我らには様々な困難な試練が立ち塞がるが、みんなで一致団結しながら、なんとか危険な試練を突破していったのだ」


「そして、王都を出てから3ヶ月後にようやく念願の領地が近づき、皆の笑顔があふれるようになってきた」


「だがな.....はぁ...」


「そこで、私達全ての者等が抱いた希望は....胸を大きく押しつぶす──絶望に変わってしまった」


「現地に到着して皆で喜びあっている中で、案内士官から詳しく説明された念願の領土は──魔物のひしめき合う魔獣の森のすぐ側にあり、手のつけられない荒れ果てた大地だと説明されたのだ」


 うわ─悲惨....現場についてからの説明って何それ?


 そこまで、案内士官さんは、嘘をついていたってこと?


 もう少し、詳しく話してほしいけど....まぁいいや!!


 どうせ、あの王族のやりそうなことだよ。


 そんなことしてるから、エロチビデブの3重奏カルテットになるんだよ。


 もしかして、今回のダンジョン討伐も、いらない貴族削減の目的も、含まれてるのかもしれないね。


 確か、今回投入された騎士団は1000人くらいいたよね。


 その人達全員処分する目的だなんて、流石にないよね?


 う──わかんないけど、なんか王族なら平気でしそ──!!


 恐ろしや、恐ろしや、王族こわっ!!


「酷い、王国がそんな迫害をする筈は...ありうるのか?....」


 セルディさんは、信じられないという表情を浮かべていた。


「そんな...理不尽だよ..なんで..そんな冷遇するの?.......」


 ラスレちゃんは、顔をしかめて、眉をひそめてた。


 そして、カッコイイお兄ちゃん騎士、グランドエルトを見つめて、何故かラスレちゃんのお顔は赤くなる。


 うわっ細かっ、こんな場面でも、それやるの??


 流石は恋愛鬼畜なラスレちゃん!!


「すっかり覚めた頭で考えれば、貴族なら直ぐにでもわかりそうな、簡単な策略にはまり、見事にやられたと気づいたときには、その話は瞬く間に周りで聞いていた者等に伝わっていき、話を聞いた民衆等は、その場で皆、地面に手を付き、子供のように泣き崩れていた」


「その後は、民衆も含めた全員でしばらく、悲嘆ひたんに暮れたものだ」


「王国側からすれば、王国を疎んでいる者等全てを島流しにして、王都の治安が改善し、ようやく安堵して、ホッとしたことだろう」


 私は王都に行ったことないから、どんな所か全く想像出来ないけど、この話聞いたら、行きたくなくなったよ。


 別にいいや、王都なんて行かなくても生きていけるし、全く問題ナイッシング。


 私は地方で、悠々自適ゆうゆうじてきな生活をして、気ままに自由に生きるから、ぜんぜん関係ナイッシング。


「その領土は、今や毎日食うに困り、寝床も満足のいく場所に住めない領民も、決して少なくはないのが現状となっている」


「魔物の襲撃も、毎日当然のように起こり、若い男手は、次々に命をちらせていく」


「私は、その領地を統治する責任があるのだが、私の剣の力や男爵家だけでは、領民たちの命を魔物から守ることすら出来ない」


「毎日、若い領民の命が、自分の手からこぼれ落ちていくのを、歯止めも掛けられず、王国討伐隊の力を当てにしたいのだが、それすら貴族の論理が働き容易にいかない」


「いずれ私は、当主失格の認を王国に押されて、我がダルタロイア男爵家が没落の道を歩むことになるだろう」


「そして、王国にも見捨てられ、最終的には魔物の餌になる運命を背負った領内の民衆と、本来なら諦めて、絶望するべき状況のようにも思えるが.......」


「私は、諦めのわるい、あがき続ける人間なのだ」


 コスタおじちゃんは、諦めの悪そうな笑みを浮かべながら、話していた。


 お─、お仲間発見!!チョット視線が怖いおじちゃんだけど、お仲間はお仲間だよ。


「私の力が足りなければ、他から力を補えば良いだけの簡単な話だ」


「私は、その力のある英雄を追い求め、今も必死に探し続けている」


「そうした中で、私は君の魔道具を見てしまった」


「私は、是非1度そのキテレツな魔道具を作成した製作者の御人に直接お目に掛かりたい」


「何とか君のつて辿たどり、その人物とえにしを結びたいと考えているのだ」


「それも、ただのえにしではない」


「断ち切れない永遠とわえにしを結びたいと考えている」


 オロ叔父ちゃんから、危なそうな人には、近づいたら駄目だよって言われてるんだよ。


 コスタおじちゃん、目が危ないもんな─。


 どうしようかな─??これは、要検討案件だね。


「それほどの考えを抱かせるほどに、先ほどの魔道具は、私にかつてない衝撃を与えたのだよ」


 そうだろ、そうだろ、もっと褒めて、褒めて!!


「キテレツな魔道具を作り出すほどの優れた才のある御人だ」


 なんだか、嬉しいな。ルン!ルン!ルン!!


「きっと私には、思いもつかない方法で、領地を繁栄させる知恵や技術を与えてくれるに違いない」


 う──ん、確かに面白そうな実験区域なんだけどね──。


 でも、これ─片手間に片付く案件じゃないよね─。


 嫌、まって!!やり方次第では、面白いことになるかもね!!


 この件も、要検討案件に追加1丁!!出前1丁!!


「その御人を、私はなんとしても領館に招き入れ歓迎をして少しでも縁を深めたいのだ」


「そして、そのような御人に私の統治する領内を隅ずみまで見てもらいたい」


 ま─、好きに遊ばせてくれるなら、その場所に転移門を作って遊びにいってもいいけど、ずっと縛られるのは、どうかな─?


「その御人の助言やキテレツな魔導技術を、是非我が領内で役立つようにもしていきたい」


「つまりは、その御人を私の領内を任せられる程の重要な役職に抜擢ばってきしたいと思い描いている」


 それは、い─や!!


 私、自分家がお気に入りの場所なんだよ。


 そこで、ず───っと、引きこもって、実験して遊んでるのが、夢なんだよ。


 だから、無理っCHU♡!!駄目っCHU♡!!問題外っCHU♡!!


「君の知り合いと言うならば、何とかその御人を私に引き合わせてもらいたい」


「是非私と、その御人の縁を、取り持ってもらえないだろうか??」


 ラスレちゃんの心に訴えかけようと、コスタおじちゃんの両目をラスレちゃんの両目の瞳にロックオンして、声に熱そうな感情を込めて、熱く話していたけど、ようやく話がおわったようだ。


 コスタおじちゃんの突然のジョブチェンジに正直、驚いていたラスレちゃんだけど、表情には決して表さないように頑張っていたけど、オロおじちゃんの話を聞いてる中でも、グランさんにチラチラ視線を合わせて赤くなっていた。


 なんか、時折、指でモジモジしながら、グランさんをみてるよ。


 今は、流石にやってはいけない雰囲気だと私は思うけどな。


 本当、芸が細かいよ。どうする気なんだろう?


「紹介する気があるなら、今すぐ多少だが、謝礼もだそう」


 そう、言い終わると右手を上に軽く上げて、後ろのグランさんに合図をした。


 その合図でグランさんは、手に持つ魔法袋から細かい刺繍が入った袋をだしてきた。


 多分、コスタ叔父ちゃんの家紋じゃないかな?袋全体にその家紋の刺繍がしてあるね。


 どうせ、金貨が入っているんでしょ。でも、袋ちっさ─、もっと大きいのにしなよ。


 そんな端金はしたがねじゃあ、守銭奴しゅせんどのラスレちゃんには、無意味だよ。


「そう悪い話でもないとおもうのだが、どうかね」


 そのグランさんは、コスタ叔父ちゃんの手前までやってきて、袋の中をラスレちゃんに改めさせた。


 守銭奴のラスレちゃんは、袋を改める前に、その袋を持っているグランさんの方を真剣に吟味していた。


 トロ~~ン、フニャラ~~ン


 そんなラスレちゃんはストライクゾ─ン超ど真ん中のグランさんを真剣に見つめすぎて、そのまま夢想世界に旅立っていった。


 袋なんか、そっちのけで、ぼけ─っとグランさんをトロ~ンとして眺めている。


 コスタ叔父ちゃん、スッゴ──イ!!


 流石は、領主様。ラスレちゃんの巫山戯ふざけた行動を、分析して、そこまで考えての配置だったのか─。


 お金を差し出すと見せかけてグランさんを差し出してきたよ。


 ラスレちゃんは、お顔が少し揺れだした。心が抜け落ちて身体の制御を放棄した放心状態のように私には見えた。


(は──)


 そのラスレちゃんの後ろに控えている、貴族の趣を感じさせるような佇まいをしていたセディルさんは、そのラスレちゃんの立ち姿を見て、貴族の仮面を外して、いつものように、小さなため息を吐いた。


 そして、右手に持った魔導剣のさやの部分をラスレちゃんの整ったお尻にプスッと素早く刺した。


「うきゅっ」


 忽ち、我を散り戻したラスレちゃんは、お尻を撫でつつ、後ろをパッと振り返り、セルディさんにキッとラスレちゃん死線弾ぷんすかビ─ムを放つ。


 セディルさんは、顔を軽く左右に振ってラスレちゃん死線弾ぷんすかビ─ムを無効化した。


 その姿を一部始終見ていたグランさんは、唖然として次の瞬間.....


「ぷっクス」


 グランさんが思わず、口から可笑しさを堪る吐息がふきだした。


 無事放心状態から回復復帰したラスレちゃんは、声が聞こえた方角に顔を向け、また、グランさんをれている。


「ゴホン」


 また、自分を無視して、若い者等でじゃれあう姿に少し呆れた表情をしたコスタおじちゃんは、咳をして、自分の話をちゃんと聞くように促していた。


「1度、に考えてもらえないだろうか」


 そして、一部言葉を大きな声で強調して、ラスレちゃんを軽く注意した。


 注意されたラスレちゃんは、ショボンとしたけど、直ぐに表情を変えて、再び真面目な交渉の席についた。


「はい、コスタドル様の仰るように、真剣に考えさせていただきます」


 交渉の席についたが、やっぱり、視線はグランさんをたまに、チラチラと見つめていた。


 グランさんは、目線でしっかり話を聞くように、合図をしている。


 多分、これもラスレちゃんのテクニックだと思うけど.......


 バカっぽく演じて、最後にパクッと食べちゃうのかな?やっぱり要警戒!!


「ほ─お、よし、よし」

「ここにきて、ようやく物分りが良くなったな?」


 大きな目と口を開けて少し驚いた表情になったコスタおじちゃんは、ニヤニヤしながら、次の質問をラスレちゃんに問いかけていく。


「だが、それは、まことのことか?」


「はい、今この場でコスタドル様の願いを断る度胸は持ち合わせていませんし、その様な非礼な真似をする意志もありません」


「ですから、コスタドル様の提案も含めて、1度、持ち帰らせていただき、製作者と相談して、改めてご報告いたします」


 ラスレちゃんの判断で決めると、その後のコスタおじちゃんは、ラスレちゃんに重く伸し掛るように攻めて来るだろうから、直ぐに答えるべきではないと思う。


 多分、正しい判断だけど、ちょっとコスタおじちゃんが可哀想かな?


「そのように、取り計らいますので、それでご納得いただけないでしょうか?」


 すまなそうな表情を作って、申し訳なさそうに、言葉を少しゆっくり喋るようにして演技しているラスレちゃん。


「そういう事か。わたしの望みとは、微妙に違うな」


 微妙に顔の表情が強ばったコスタおじちゃん。


 コスタおじちゃんは、ラスレちゃんに直ぐにでも、私と会えるようにセッティングしてほしいのね。


 それと、時間を置くと、断られる可能性が高まるから、何とか、具体的な確約が欲しいのかな?


「まあ、君の立場も話を聞くうちに、ある程度は理解した」


「だがな、ここで私が引いてしまっては、私の領内に住む領民に対して、私は申し訳がたたん」


「更には、この洞窟内にいる他の貴族に、いつの間にか横からかすめ取られてしまうのは、正直我慢がならん」


「今この場には、邪魔で小賢こざかしい貴族共は誰もいない」


「私は、そうした貴重な場で話を詰めて、ある程度はお互いに実りのある会談にしたいのだ」


 ま─わたしがその場にいれば、楽々チンで色々決めれたけど、私、過去を見てるだけだから、口出しできないのよ。


 御免ね。コスタおじちゃん。


 ここは、大人しくラスレちゃんの遊び道具になっててよ。


 ラスレちゃんも悪いようには、しないと思うよ。


「だから、君ももう少し折れてもらうようには、出来ないものかね」


「申し訳ありません」


 あ─あ。ラスレちゃん、頭を下げた時に表情が少しニッコリしてたよ。


 これは、何か狙ってるね。


 後ろのセルディさんは、騎士風の佇まいでラスレちゃんの後ろにいるけど、少し呆れている表情をしてるね。


「私にその権限があれば、直ぐにでも、コスタドル様のご要望にそうように返事ができるのですが、私が製作者から言われているのは、不足の事態が起こった際には、勝手に対処しないように言われているのです」


 あれっ別に私そんな注意事項なんか、全然話していないし、考えてもいないお気楽子ちゃんだよ。


「ですから、私には、先ほどの提案を申し上げることしか出来ません」


「そうか、ここで強情に話を進めても、製作者の御人の心象が悪くなるのは、私も好まない」


「では、攻め口を変えるとしようか」


「君の操作していた魔道具は、売り物では無いとさきほど報告を受けたが、本当に事実なのかな?」


「はい、ここにある魔道具は全て試作品でございます」


「まだ、売り物では、ございません」


「私が、製作者から依頼されたのは、この魔道具の性能を確かめるように言われただけです」


「わかった。それは信じよう」


「それでは、先ほどの魔道具を1台でもよいから、売っては貰えないだろうか?」


「売ることが、出来ないというなら、貸してくれるだけでもいいのだが、どうだ!!」


「出来れば、お売りしたい気持ちはあるのですが、何分私の一存では、決められないのです」


 なんか、全部お断り作戦開始してるよ?


「貸すことに関してですが、製作者曰く、私が許可を出しても魔道具にそうならないように、何やら仕掛けを施したそうです」


 はい、うっそで──す!!


 そんなの、ついてないで──す!!


 面倒臭い工程が沢山つくから、やってないで──す!!


「そうか─、かなり慎重な性格をして御人のようだな」


「では、質問なのだが、仮にその魔道具を私が、仮に力ずくで奪うとしよう」


「そうするとその御人は、次にどういう行動をとるか、予測がつくかね。」


 コスタおじちゃんは、ラスタちゃんやセルディさんに向けて、いきなり殺意を込めた殺気を放つ。


 だが、その瞬間2人のめているおそろいの魔導腕輪ビクビクシナイモンが微かに光る。


 2人は、コスタおじちゃんの、本物の殺気を無効化して、平気な顔をして、たたずんでいた。


 ラスレちゃんは、チョットカチンときたのか、目がマジモ─ドに切り替わる。


 そして、マジかるラスレちゃんの反撃を開始していく。


「先程お話させて頂いたのですが、その人物は、自身の気に入った者にしか、魔道具を売らない、そんな人物なのです」


 違うもん。気に入った人には魔道具を進呈してるんだもんね─。


 販売は、私はまだ誰にもしてないもん。


 特殊な製法の神秘薬なんかは、製造方法や治験が終わると、ラス姉さんの機嫌が悪い時に渡すと機嫌が良くなるから、その時を見計らって渡してるもん。


 後は、ラス姉さんに全てお任せしてて、販売には、一切関わらないようにしてるから。


 他の魔導兵器に関しても、エディスカルお父さんに頼まれたら、その魔導兵器を渡して後の事は関知しないよ。


 だって、今の所錬金術は、私の空想を形にするおもちゃ箱のような存在なんだよね。


 まだ子供だし、お金は他から何とかかき集めて、そのお金で実験や物づくりするんだ!!


 今はそうやって、遊ぶのが楽しいんだよ。


 お金儲けすると、空想のおもちゃ箱がおもちゃ箱じゃなくなるような感じがするから、今は、錬金術でお金儲けする気はサラサラのサラもないよ。


「わたくしが言うのも、なんですが、その人物はかなり性格に難があり、その人物に嫌われてしまいますと、もう、とことん嫌いになる偏屈な人物なのです」


 うっ......私....ラスレちゃんに、そういう目で見られてるのか──。


 そうです。私がその偏屈へんくつ少女です。


 私に嫌われると酷いんだからね。プン!プン!


「ですから、もしそのような強行的な手段を取られますと、コスタドル様の目の前に、製作者があらわれることは、二度とないということは断言いたします」


「目先の安易な良案に飛びついて、コスタドル様が本当に欲している人物は、コスタドル様の手からすり抜けて、今後一切コスタドル様の味方になろうとはしないでしょう」


「しかし、コスタドル様がそのような強行手段をなさってでも、私の所持している魔道具を手に入れたいという思いは十分にお察しすることができました」


「そこで、領民の為に日夜、苦悩の表情を浮かべるコスタドル様に、ご提案があるのですが、お聞きになりませんか」


 満面の笑顔でラスレちゃんは、すっかりご機嫌斜めになったコスタおじちゃんに、そう話を切り出したよ。


「ほ─お、貴族である私に質問ではなく、提案すると?」


 コスタおじちゃんは、少し驚いた顔をしたけど、まあ、さっきからの聞く態度が、おちゃらけた雰囲気だしてたから、そう取られても、仕方がないよ。


「う─む、先程までの君とは、少し違うな」


 じっくりと、もう一度ラスレちゃんを観察したコスタおじちゃんは、先程までの雰囲気と多少違うようにかんじたようだ。


「私には、君が幼い容姿に映るが、中々その性根は固くてしっかりしているようだ」


 コスタおじちゃんもこのままでは、らちが明かないと判断したのか、少し乗り気になったように見えた。


「よ─し、聞いてやろう、遠慮せずに話して聞かせてくれ」

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