第5話 取材

 俺達は今、みゆが取材を受けることを承諾してしまったので取材を受けるべく、ついでに慎也が飯を食いに行こうという誘いだったのでいっぺんに済まししてしまおうということで前に1度みゆと来たことのある駅近くのサイ○リヤに来ていた。


「さて! さっそくですが取材させてもらおうと思います!」


「はぁ.......」


「そんなにあからさまに嫌そうにされると私としても辛いものがあるんですけど.......」


 嫌そうにって言われても普通に嫌だと思うんだが? 誰が好き好んで熱愛!! 新学期早々に迫るバカップル!! とかいう題の学内新聞の取材に応じるというのだろうか? もうこれほとんど学校内における公開処刑みたいなもんだろ.......。



「そうだぞ和哉。お前は白夢さん以外にももう少し優しくするべきだ! 主に俺とかに!」


「そんなに嫌だったの.......? だったらごめんね.......」


 慎也の事は置いておくとしてみゆにしょんぼりされてしまうととてつもない罪悪感に襲われてしまう.......。けど今回ばっかりは俺の反応であってるよな? 俺は悪くないよな? 別にみゆが悪いっていう訳でもないんだけど.......。


「いやまぁ、みゆが悪いわけじゃないから気にするな」


「そう? ありがとね」


「甘いです」


「甘いな。それも2つの意味で.......」


「ですね.......」


「「?」」


「この何も分かってない感じがもう.......」


「本当にな.......」


「なんだか私。あなたとは仲良くなれそうな気がします」


「奇遇だな。俺もだ.......」


 何故だかよく分からないが慎也と武宮さんが急に仲良くというか、意思疎通? しだしたんだが。まぁ、仲良きことは良きことなので別にいいか。


「こほん。そろそろ気を取り直して取材させてもらいますね!」


「あぁ」


 俺はもう取材を受けることを諦めとにかく早く終わらしてしまおうとめんどくさいので正直に全部答えることにした。どうせ俺が嘘をついてもみゆが訂正してしまうだろうしな。


「2人はいつから付き合ってるんですか?」


「春休み」


「どちらから告白を?」


 この質問は難しいな.......。先に思いを告げてくれたのはみゆだけど付き合おうと提案したのは俺だし.......けどまぁ、どちらから告白をということならやっぱり、


「みゆ」


「和哉くん」


「「え?」」


 俺とみゆの声が重なったと思ったらお互いに相手の名前を言うというまさかの事態。そっかぁ.......みゆ的には俺が告白したことになってるのか.......。


「いや、どっちなんですか.......」


「みゆが先に好きだって言ってくれて、俺が付き合おうって提案した? みたいな?」


「あぁ、なるほど。彼氏さん的には先に好きだと言ってくれた彼女さんに告白されたと。彼女さん的には付き合おうと言ってもらった側だから彼氏さんに告白されたと思っているということですね?」


「まぁ、そうなるな」


「うん」


「なるほど.......。ちなみにですが告白はどこでしたんですか?」


「観覧車」


「それはなんというかベタですね.......」


 さっきから思ってるんだがこの質問に何の意味があるのだろうか? こんな質問で記事がかけるなら別に俺達で無くてもそこら辺にいるカップルでもいいんじゃないか?


「なぁ、こんな普通の質問なら俺達以外のカップルでも良かったんじゃないのか? もうめんどくさいから帰ってもいいか?」


「帰らないでください! というか、もう少し私にも優しくしてくださいよ! そろそろ泣いちゃいますよ!」


「そうだそうだ! 俺にももっと優しくしろ!」


「和哉くん。女の子を泣かせたらダメなんだよ?」


「.......分かったよ。すまん言い過ぎた」


 別に俺としても泣かせようだとか全く思ってないんだけど.......単純に本音で話しているだけなんだけどな.......。


「本当に彼女さんの言うことにな素直ですね!」


「あたりまえだろ?」


「なぁ、和哉。頼むから白夢さんに対する半分でいいから俺達にも優しくしてくれ.......」


「それくらいはしてるだろ?」


「「してない(ません)!!」」


 2人して言われてしまった.......。みゆの方を見てみると苦笑いを浮かべているところを見るに俺はこの2人にはひどい態度をとってしまっていたのかもしれない.......。別にこの2人が嫌いだとかそういったことは全く無いんだけどな.......少しめんどくさいくらいにしか思ってないんだけどな.......。


「まぁ、その事は今は置いておくとして本題です!」


「なんだ?」


「ずばり! どうやってあの雪姫の雪を溶かしたんですか!?」


「「雪姫?」」

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