第11話  小さな宝


   小さな宝



 目の前の一つの顔を じっと見つめ


 眉間に しわを寄せる


 何も聞こえなくなる


 ふと見上げたら 自分の拳がある


 

 一息 間をおけば


 声が聞こえてくる


 

 拳を上げれば 後悔が顔を出す


 その握り締めた手を 開けば


 大切のものが 見えてくる


 優しさと 喜び


 忍耐と 穏やかさ


 その小さな宝は、失くさなければ


 大きくなる


 

 拳を 下げたら 笑顔になる


 悔し涙は 真珠に姿を変える

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