第4話  やわらかい風



   柔らかい風



 秋の風は 天の羽衣


 柔らかくなった陽射しとともに


 私の心を 包み込む


 木の葉に手を差し伸べ


静かに木々の間を 通り過ぎる


 消え行くものへの哀愁と


 残された足跡の確かさと


 水面に描かれた波紋


 風の羽衣を 身にまとえば


 心の井戸の深さが見えてくる


 風のたどり着く場所は 物静かさ

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