第16話 女王陛下のお茶会。 ルーブルシア王国から保護をしてくれるお話
「さて、ダグラス・ゲートスケル」
女王陛下がダグラスに話を向ける。
「私は、国を出た時に家名も捨てております。どうか、ダグラスとだけお呼び下さい」
「そうか……そうだね。では、ダグラスに騎士爵を与えることにしよう。貴族にはなれないし一代限りの爵位だが王宮には入れる」
女王陛下は、真剣な顔でそう言っている。
「そなたは私に生涯の忠誠を誓えるかい?」
その言葉を聞いて、ダグラスは女王陛下の前にひざまずき、自分の剣を鞘ごと、女王陛下に向かって両手で掲げるようにする。それを受け、女王陛下も椅子から立ち上がっていた。
「もちろんでございます。
ダグラスは、誰を……とは言っていない。だけど女王陛下には正しく伝わったようだった。
女王陛下は、こちらの方を見て面白そうな顔をして言う。
「ランラドフ。かなり頑張らないと、これは勝てそうにないねぇ」
そう言われたランラドフは、無表情に跪いたままのダグラスを見ていた。
「騎士の誓いは、後日謁見の間かな。さすがにこの格好では様にならないし、立会人も用意しないといけないからね」
さて、お茶会の続きをしようと女王陛下は椅子に座り、ダグラスも立ち上がって剣をアイテムボックスにしまっている。
「おおそれながら、女王陛下に申し上げます。ダグラスは、ルーブルシア王国の近衛騎士だった人間です。それなのに、どうしてアイストルスト王国の騎士が務まりましょう」
私は思わず立ち上がって、女王陛下に抗議した。
私の為にこれ以上ダグラスの人生を犠牲に出来ない。
「ああ。そなたの供をした時点でルーブルシア王国への忠誠心は捨てているだろうし。ダグラスの忠誠は『この国が保護してくれる限り』という条件付きだから良いんじゃないかな」
女王陛下は、クスクスと笑いながら言っている。
「ですが……」
「メグ。それ以上は不敬だ。口を
ダグラスが私にも座るよう、うながしながら保護者の口調で言ってきていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。