壁の暗い間

キミがいる温かさ

キミがいる幸せ

キミがいる全て

失えば何を糧にすればいい?


失うなんて

まだ出来やしないのは

分かってる

まだ手に入れていないから


だけども僕は

既に失うことの

恐ろしさを感じてしまった


キミを想う度

僕はそれだけの為に

大きな壁に立ち向かっているんだ


待たされて咲いた花は

美しく咲くなんて

ただの言い訳なんだ


キミは壁の向こうで

じっと待っていてくれる

そう信じて僕は壁を登る


だけど時に考えるんだ

壁を越えた先には

君も何もない

虚無が広がってるだけじゃないのかって


そんなの越える意味はあるのか?

今ここで手を離して

落ちて死んだ方が

壁の先の絶望を見るより

楽じゃないかって


今ならまだ

失うものは何も無い

だけど

この壁の向こう側に

きっとキミがいると信じているから

僕は登り続ける


まだ

キミを失うことすら出来ない

のだから


キミも目の前の壁が

いつまでもいつまでも

変わらないことに

不安を覚えているのかもしれない


僕は願う

それでも

待っていてくれ

その壁の頂上から

キミの存在を確認するまで


そして優しく受け止めて欲しい

僕に

大切なモノを失う

ホントの恐ろしさを

感じさせて欲しい


キミを失うなんてこと

しないから

失うことすら出来ないなんて

寂しすぎるから


まだ見えない頂上を目ざして

向こう側がどうなってるかなんて

分からなくても

僕は今日も登り続ける

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