エピローグ
「はっ………!?」
目に映ったのは白い天井。目線を落とすとベッドにいることが分かり、ここが自分の部屋ではないことも次いで把握した。
自分の格好を見ると、水色の薄い服……これは病院患者が着させられるやつか。
じゃあここは…病院。
「NNS…!」
声がした方に目を向けると、母親の姿が。
母の話を聞くには、俺が暴走車に轢かれて瀕死状態で病院に緊急搬送されたこと、そのまま手術を施して何とか助けられたこと、この部屋に運ばれてから1週間経っていたこと。
以上の話から俺はしたくもなかった理解をしてしまった。
強くてニューゲーム人生が夢だったということを……
場所は変わって1Kのアパート部屋……俺の本当の住居だ。
あの時…貯金が底を尽いてしまい、人生の終わりを悟って最後に散財してやろうと思って出て行ったのが最後だった。
実際は1週間しか経っていない部屋だか、約20年ぶりのように思える。
何かの間違いだと、あの日々が嘘であるわけがないと思い込んでいる俺は、現実逃避するように眠った。
そして翌日……
「………」
目覚めた場所は、1Kのアパート部屋。
この場所…世界こそが、俺の本来生きるべき世界なとだと……ようやく悟った。
あれは…ガキからやり直して色々好き勝手に修正したあの人生は、全部夢だった。
本当の俺はあんなに速く走れない。金も残りは財布の中身だけ。何億円もあるわけない。
無職というステータスだけは一緒で、それ以外の俺には……何も無い。
これが現実……本当の俺。
あの輝かしいやり直し人生の中にいた自分は、理想の自分。都合の良い夢。
あの神的な何かも、俺がつくり出した妄想の人物だったのか?
あの日、車に撥ねられたらことで死の淵をさまよいながら自分に都合の良い甘美で幸せな夢を見ていた…。
これは、そんな話だったのか…。
本当に俺のただの妄想・夢だったのか。
それとも精神だけ別の世界の自分に憑依して実際に体験した出来事だったのか。
今となっては知る手段が無い。ただ分かっていることは……
俺はこれからもこのステータスとスペックで人生を歩まなければならない…。
ここで俺に今後についての選択肢が出てくる。
・気持ちを新たに、改心して社会復帰する
・現実逃避を続行。このまま干からびるまで引きこもる
ってところか…。
さて、
俺はーーー
「 仕事見つけに行くかー 」
気怠げながらも着替えて外へ出るのであった…!
完
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