11冊目 蚤とり侍
蚤とり侍
小松重男 光文社文庫
数年前に阿部寛主演で映画化された時代劇。コミカルな寄り目のポスターを見た方も多かろう。
侍の主人公がお殿様の不興を買い、「猫の蚤とりになって無様に暮らせ!」と追い出されるも、この「猫の蚤とり」というのが大問題。蚤とりはいわば隠語で、実は女性向けの男娼のことだったのである。
本自体は表題作を含む短編集であり、映画を見た方にとっては表題のボリュームが少なく、あれっと思うかもしれない。だがご心配なく、他の収録作も時代劇に興味があるならきっと楽しめる作品ばかりである。
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