6冊目 わざと忌み家を建てて棲む

 わざと忌み家を建てて棲む

 三津田信三  中央公論新社


 タイトルその通りの家に住んだ人々の記録を、主人公≒作者が取りまとめた形式。入れ子構造というやつか。じめじめひたひたした感触の、正統派Jホラーの香りを感じる。

 締め方がなんとも憎らしい。作者がまとめた話、という設定をよく活かし、半ば本当かな……と思わせる仕掛けで落とした。ホラー作家であるという点も落ちを強化している。

 姉妹編もあるとのことで、読んでみたい。

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