第6話 職を転々とする日々
20歳の時に母に誘われるまま僕はパチンコ屋の店員となった。
ちょうどCR機全盛期で、まだ若かった僕は一番忙しい花満開のコースを任され、バイトのまとめ役もしていた。
務めること二年、僕はハラダ氏病という目の病気をわずらい失明寸前となった。
この病気で入院しているとき、その病室の天井の隅に蒼く輝く蜘蛛の巣のようなものを見た。
病気から快復すると、退院した僕に待っていたのは、母が業務上横領で退職させられたというニュースだった。
以降は職を転々とする日々を送った。
別のパチンコ屋、倉庫管理、印刷工場員、契約社員。
どれも長続きせず、うまくは行かなかった。
僕はストレスに非常に弱かったのだ。
ストレスのはけ口は買い物だった。
やりもしないゲームを買い、弾けもしないギターを並べる。
ストレスケアができていれば、僕はこんな病気にならなかっただろう。
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