第2話 幼年期 愛甲石田
僕は2020年現在、47歳だ。
今から40年以上も前のことを思い出すのは難しい。
ただ覚えているのは、僕が産まれたアパートから引っ越して、平屋建ての一軒家に父と母、そして兄と僕の四人で住んで居たということ。
その一軒家は愛甲石田であったらしいこと。
よく本厚木のイトーヨーカドーに買い物に行き、たびたび迷子になっていたこと。
おもちゃをせがんで泣いたこと。
ネコとイヌ、鶏を飼っていたこと。
そして、そこを引っ越す原因となったのが、母のいう霊の想念、要するに、幽霊が出たということらしい。
その家の裏には墓があり、その墓の霊が母親に取り付いて恐ろしい想いをし、引っ越そうということになった。
だが、霊感のない父は一人そこに残ることを選んだ。
が、翌日に真っ青な顔をして、母が今現在住んで居る、相武台のアパートに駆け込んできたこと。
僕が覚えているのは電車の窓を見て、それは今の記憶と照合しても、本厚木から相武台前駅間の景色だったことははっきりと断言できる。
しかし、引っ越してからが僕の悪夢の始まりだった。
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