御神籤が大吉であろうがなかろうが

これまでどおりに生きるのだろう

神様を信じようが信じまいが日々はすぎてゆく

病が流行ろうが容赦なく時がゆくのと一緒だ


ならばどんな小さなことにも目を見張る

降る結晶を六花と季語で言い換える

ほかの言葉もあたったりそのまま俳句を練ってみる

詩的なことに気づいた心は案外やわらかく動く


本当のさいわいがなにかは判らない

宮沢賢治も言っていた

尊い犠牲か日常のどちらがうつくしいとは言えない

幻燈のように差し替えられるのならそれがいい


虎落笛を聞く夜に心静かにもの思う

あすはこの冬いちばんの雪になるかもしれない

現実が厳しかろうがなかろうが

これからも死ぬまで生きてゆく


ほらごらん

冴えた青に虹が架かる





20210124

第104回 詩コン『粋』

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