近くにいたのに
筑紫榛名@12/1文学フリマ東京え-36
(一)
幼なじみに招待状をもらい、結婚披露宴に出た。白いドレスの君は綺麗だった。
披露宴はつつがなく終わり、二次会の会場に移動した。そこで君が、二〇も歳上の新郎と一緒に挨拶してくれた。
他の人には対しては満面の笑顔だったのに、君は僕の顔を見たとたん、目から大粒の涙を流し始めた。
そのとき僕は気づいた。君の心は、当時のままだったんだって。
あの時、君は言ったよね。「ねえ、私のことをさらってよ」って。夏祭りの夜のことだ。
でも僕は君をさらうことができなかった。
まだ高校に入学したばっかりだったし、君もまだ中学生になったばかりだった。
(続く)
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