第210話 イベントの作戦会議をしましょう!
私たちはテツさんのお部屋に集まり、第12回イベントについてのことを話していました。その中で、テツさんが言い出したのはボス戦の時の私たちクランメンバーの配置なのでした。
「私は飛竜さんと戦った時と同じ配置で良いと思うのですが……」
「いや、後衛組の前にカツヒロさんが居てくれるのは心強いけど、あれだとカツヒロさんが自由に動くことができない。だから、カツヒロさんにも自由に動いてもらって、オレたち後衛組はサポートと回避に集中すればいいだろうから」
要するに、テツさんの言い分はお父さんを盾役として後衛組の前に張り付かせるだけじゃなく、攻撃にも参加してほしいとのこと。そして、そのうえで自分たち後衛組はサポートをしつつ、敵の攻撃は回避するというモノでした。
「今回ばかりは俺もテツの意見には反対だ」
「……どうしてだ?」
いつもテツさんと意見の合うカズさんですが、珍しく今回は反対の立場を取られておりました。そのこともあって、少し空気が悪くなってしまったのが厄介です……!
「えっと、カズさんはどうしてテツさんの意見に反対なのですか?」
「そうだな、それをちゃんと伝えないとな」
それからカズさんはテツさんの意見にどうして反対なのかを語ってくださったのですが、手始めにお父さんが後衛組の前に張り付かないということについて反対しておられました。
「敵が昨日の飛竜みたいなブレス攻撃とかをしてこないとは限らない。だから、俺はカツヒロさんを後衛組から離すのはマズいと思うんだが」
「……私もカズ兄と同意見。さすがにリスクが高すぎる。ブレス攻撃とかで後衛組が一気に倒されちゃったら、持ち直せないだろうし」
そうなのです。状態異常回復や体力の回復を魔法で行なえるルビアちゃん。それをアイテムで代行するテツさん。そして、敵のステータスを下げて私たちが戦いやすくなるようにしてくれるケースケさん。3人のうち1人でも倒されるような事があれば、私たちは攻撃に全力を注げず、それが敗北につながる恐れだってあるのです!
私はこのようなことをワカナちゃんに続いて発言しました。テツさんもそう言われて、ご自分の意見を曲げられ、配置は飛竜さんと戦った時と同じということで話がまとまったのです!
「それじゃあ、ボクは戦闘の時は前衛の方がいい?それとも前衛として攻撃に参加した方がいいのかな?」
「マサルは前衛として攻撃に参加してもらった方がいいかもしれないな」
「ああ、俺もその方がいいと思う。何かあった時の囮にもなるしな」
「えっ、ボクは囮にされる前提なんですか!?」
焦るマサルさんをからかうテツさんとカズさん。おふたりともこういう時は息ピッタリなのですよ!基本的にこんな感じで意見が合うおふたりなので、先ほどはビックリしてしまったのです……!
ともあれ、無事に戦闘配置の話がまとまって本当に良かった。そう思える一幕でした。
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