第47話 お城からのスタート
「ここは……?」
私たちは突然、赤いじゅうたんの敷かれた真っ白い壁の目立つお城の中へと転移しました。
そこでは、ルール説明の書かれた画面が表示されました。
ですが、以前に送られてきた通知と内容はほとんど同じでした。とはいえ、一応目を通しておいた方が良さそうです。
まず、広大なフィールドの中に何百組というパーティが参加し、倒したプレイヤーの数に応じてポイントが加算されること。そして、予選ブロックで稼いだポイントが多かった上位32組によるトーナメント戦が本選という扱いになるということなどが記載されてありました。
そして、今回予選に参加しているパーティはおよそ1000組。そんな数のパーティを5つのブロックに転移させたとのことでした。
一つは私たちのいる城エリア。他には、砂漠エリア、草原・森林エリア、市街地エリア、峡谷エリアがあるそうなのです。
そこにパーティを均等に200組ずつ転移させられたそう。しかも、5つのエリアはそれぞれ繋がっているとのことで、ゲートを超えることでエリアを移動できるとのことでした。
また、ポイントについてはプレイヤー1人につき10ポイント、パーティリーダーを倒せば100ポイント加算されるそうです。
ですが、私たちのパーティにはリーダーであるカズさんはいません。でしたら、リーダー抜きでイベントに挑むということになるのでしょうか?
「お、オレがリーダーになってるな」
そんなとき、機嫌の良さそうな声が後方から聞こえて参りました。
コーイチさんは自分がリーダーだということに随分と機嫌が良さそうでした。ですが、決まってしまった以上、誰も文句は言えませんでした。
『それでは、イベント開始!』
そんなマークが表示された後、私たちは自由に動けるようになりました。
「……まずは、マップの確認」
ワカナちゃんはマップのボタンをタップし、マップを開きました。
すると、この城の地図が表示されました。
「……今、私たちがいるのは2階。そして、このお城は4階建て。恐らく、上の階にも下の階にも他のパーティがいる。それに、城の外にもたくさんいる可能性が高い」
ワカナちゃんが冷静に状況を分析してくださいますが、要するにこのままでは上から来るパーティと下から来るパーティに挟まれるということに……!
「わ、ワカナちゃん!一体、私たちはどうすれば……!」
「……とりあえず、上に行きたい。弓を使うなら、最上階が一番安全」
ワカナちゃんの意見に私とルビアさんはコクリと頷きました。ここはワカナちゃんの意見に従う方が安全です。
「……それじゃあ、コーイチ。まずは最上階に――」
ワカナちゃんが振り返ると、そこにコーイチさんの姿はありませんでした。
辺りを見回してもコーイチさんはいらっしゃいません。一体、どこへ消えてしまったのでしょう……?
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