第2話 電話

『今、時間は空いているか?空いているのなら電話で直接話がしたいのだが』


 ユーカさんからのメールに私は思わず舞い上がってしまいました。


『大丈夫ですよ!』


 私はすぐにメールを返信しました。


 すると、送って10秒ほどで電話がかかってきました。あまりに早くてビックリです!


『あ、もしもしです!』


『あ、ハル?急に電話なんて迷惑だったか……?』


『いえいえ、全然大丈夫です!それより一体何の話なのでしょうか?』


『……そうだな。本題に移ろうか』


 最初、ユーカさんに何度も何度も謝られました。でも、特に気にしてなかったので大丈夫だと伝えると、ユーカさんは安心したようでした。


『まず、ハルって池谷先輩と付き合ってただろう?』


『あ、はい!まあ、昨日別れたばかりなんですが……』


 そうなんです。実は、昨日まで私には彼氏が居たのです。


 私は今、大学二年なのです。ちょうど一年前に和幸さん……あ、池谷先輩に告白されて付き合うことになったのです。


 けど、先輩は今大学四年で、就活やら卒論やらでお忙しそうだったので、迷惑をかけまいと「別れよう」と私から切り出して、その後はあっさり。


 私はそのことをユーカさんに伝えました。


『それくらいは知っているぞ。池谷先輩がハルと別れたのはビッグニュースだったからな』


 ……それは知りませんでした。


『……それで、だ。その事なんだが……』


『その事……?』


『ハルと先輩が別れた話のことだ』


 私が池谷先輩と別れたことがパーティーを追い出されたことと何か関係が……?


『実はアヤのやつ、池谷先輩のことがずっと好きでな』


『……えっ!そうだったのですか!?』


『元々、ハルが池谷先輩と付き合ってること自体が気に入らなかったらしい』


 ……そんな、信じられません。あんなに楽しそうに話していらっしゃったのに……!


『それでハル、お前が池谷先輩を振った。そんな噂が流れてきた。それで我慢できなくなったんだろうな』


『でも、それならアヤさんが先輩と……!』


『それで済めばこんなことになってないと思うぞ。ここからは私の推測だが……』


 ユーカさんは推測を話してくださいました。


 その推測は私がアヤさんの好きな人を振った。このことで『私の好きな池谷先輩に惨めな思いをさせるなんて許せない!』と言った具合に、何やら感情に火が付いたのだろうとのことでした。


 もし、もしそうなのでしたら私が全部悪いということですね……。


『……とまあ、こんな感じだ。アヤのやつ、昔から思い込みとかも激しいから、私もマサミも反対したんだがな。……庇いきれなかった。ごめん』


『全然大丈夫なのです!ユーカさん、わざわざありがとうございますです!』


『ああ、それじゃあ電話切るな。また、何かあったら私に連絡してくれ』


『はい!それじゃあ、また!』


 そう言って私は電話を切りました。


 明日からはゲームもリアルもソロです……。どうしましょう……?

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