むいみちゃん
釘
プロローグ
やがてはアルミホイルを巻いた人達の仲間入りをするよ。
攻撃性を抑えすぎているからね。
孤独が強いなら自分自身に気を配らないといけない。
イルカじゃないんだ。
~~友人から送られてきた手紙~~
適度に表現しなければ監視だと喚いた人達がトラックに載せられた。
疲弊するに従い権利は範囲を狭め、その事に誰も文句はない。
驚くべき事に、今まで権利を喚いていた人達でさえも。
そうしなきゃいけない気がしてた。
特に声が大きかった彼等はそう言った。
単に飯が食えなくなっただけの事を誤魔化しているのは周知の通り。
今ではヒトが運ばれていても気にしていない。
そんな折に神について考え、知性的Great Motherの存在だと覚悟した。
覚悟したのだ。死は終わりである。知性の永遠は人間の自我ではない。
それに怯え自分の正当性しか考えられなかった。
つまりは知性を積み上げる傀儡に過ぎず、
それに気付いた者は彼存在特に共になる為に命を投げ打った。
或いは死後の世界か。積み上げた世界は別の場所へすり替わる。
故に誇大妄想が現実に現れ、知性は積み上がる事はない。
今やお代官様の馬鹿騒ぎと何ら変わりがない。
そうなればもう終わりだと、皆は不安に晒されている。
日々の生活は、現実から梯子を外される現象に対策のしようがない。
普段通りで構わない。そういった姿勢が必要になった。
結局は健常者以外を守ることが難しくなっただけ。
いつも通りの生活が繰り返された。
残された者たちからは知性が取り払われ、各自の妄想の中で生きる。
繭を作った。生命維持活動は現実が乖離するに従い、必要なくなった。
今ではヒトが本当にヒトの姿をしているのかさえ、区別が出来ない。
空を見上げても、有象無象が通り過ぎる極彩色しか残ってない。
つまる所ヒトは終わる者である。
それまでただ生きているだけだ。
環境が変わっても変わらなかった。
相変わらず健常者以外はトラックで何処かへ運ばれた。
明日は我が身と恐れながら、小さい山頂に立とうと競う人生を送る。
自分達の中の現実は残っているからだ。
無為な時間を過ごした。
~~失踪した職員の手記~~
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