詩Ⅰ

黒井瓶

隷従の獣

濃紺の闇に微睡まどろ

黄金をまとうた女神、

寵愛ちょうあいの指が撫ぜるは

狼の真白き毛並。

調教の雨に流され

本能は幻と去り、

闘争を捨て求むるは

抱擁と熱き眼差し。

練乳の香り漂う

永久に崩れぬ砦、

英雄を知る者のみが

隷従の獣をそしれ。

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