第34話-肝試し-
肝試しってやったことある?
夏とかに、みんなで集まってさ。
まあ百物語もちょっとした肝試しかもしれないけど。
今の俺らみたいに大学生四人で集まって、肝試しをしたやつらがいた。
場所は大学の近くの墓地。
そう、うちの大学のそばの、あそこな。
あそこに先輩たちが行った時の話だ。
肝試しだから当然夜、辺りが真っ暗になった頃だ。
あの辺り、夜には人通りがほとんど無いんだよ。
まあ墓地の中に入っちまえば、同じように肝試しをしてる人にくらいしか会うことは無いんだけどな。
……そのはずだったんだけどな。
その時の肝試しのルールは一人ずつ順番に墓地の奥まで行って、一番奥の墓の写真を撮って来るって感じだった。
その中の一人、俺の先輩の友達の番の時だ。
その人の順番は三番目だったんで、まあ安心して進んでんだけど。
なんだか、辺りが妙に騒がしいんだよ。
人の話し声みたいなのも聞こえるし。
でも、時間も時間だから人なんているわけが無い。
そう思って周囲を見回してみたら……。
いる。
それも、一人や二人じゃない。
何十人という人間が、墓石に座ったり、墓と墓の間をうろついたりしている。
そんな奴らが現れては消えて、また現れる。
確実に、生きてる人間じゃない。
そう思って逃げ出した。
入口まで戻ると、ちゃんと他の三人が待ってたんだけど、その人はもう完全にパニックになってて、何を言ってるのかさっぱり分からなかった。
当然、落ち着いてから四人で様子を見に行っても、何もない。
さあ、果たしてこの人が見たのは本物の幽霊だったのか。
それとも仲間を怖がらせようとした嘘だったのか。
今度、確認しに行ってみるのはどうだ?
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