違う・ひと

この人は私を温めてくれる

この人は

どこにも帰らない

そして

私だけをいつも

見つめている。


この人が埋めてくれる

心の隙間に

少しだけ

何か

違う風景が見える。


あの人とは違う、ダメだ。

また比べてしまう。

ごめんなさい。


あの人と違うもの

全部が違うのだから

同じ気持ちになれるはずなんてない。


わかっていたのに、

私の

女の大事な、そして粗末なところは

今夜も、明日も

この人を待っている。


唇をかむ癖、

もうやめたの。

この前、できものができたから。

お医者さんにとってもらったの。


だから唇を

交わせない。


それは口実じゃない。

本当の話。


ごめんね、その代わりに

舌をあなたにあげるね。


あなたの舌はざらざらじゃないね。

私の粗末な部分は喜んでいる。

まるで猫のそれ見たい。


私は今夜も声をあげる。

この人が好きだ、この人の体が好きだ。


心が好きだというまで、

この人に嫌われないように

かわいい女になろうと誓う。


あなたは本当に

私が好きですか?

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