苦い時間
自分の顔を鏡台にみる
目は腫れて
隈が黒く縁取り
いかにも
不健康な
女の顔である
最近
一人ねの布団が
冷たく寂しい
もうこのままなのだろうか。
布団の端まで手を伸ばすが
その広さを知る。
あなたがいない
いない
いないことが普通になってしまった。
それでも朝は来る
そう
あさは来るし
昼になれば何かをたべる
夜にはまた仕事の帰りに
後輩と居酒屋に行く
何となくホテルに行くと
意味のないセックスをするのだろう。
そしてまた苦い味のする家に
帰る
一人の部屋はリビングと寝室だけなのに
恐ろしく広くて
苦い。
それでも時間は
砂時計のように
さらさらと流れて
なにも
意味のないテレビを見る
スマホを見ても
誰からも通知は来ていない。
あの人からの返事がなくても
私は文字を打ちこむ。
もう返事など
ありはしないのに。
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